さいたまAMIGO大熱狂!

最強の二人、登場!

桜井和寿とGAKU-MCが結成したユニット、ウカスカジーの超スペシャルなライヴというだけあって、STAR STAGEは今から何が起きるのかという期待に満ちあふれている。二人が設立した団体、MIFA(Music Interact Football for All)のイメージ映像が流れ、沸き立つオーディエンスの前に登場した二人。ヒップホップともポップともつかないこのユニットは、とにかくアグレッシヴ。2006年に「桜井和寿/GAKU-MC」名義で一度リリースされた後、昨年、ウカスカジー・バージョンとして再度リメイクされ大きな話題を呼んだキラーチューン、“手を出すな!”を早速ドロップする。

「さいたまAMIGO、最高です! はじめまして、ウカスカジーと言います!」と、自己紹介するGAKU-MC。しかし、彼らがここビバロックで歓待されるというのも当然のこと、ウカスカジーが設立したMIFAとこのフェスティバルは共に「音楽とサッカーを未来の為に」という理念を共有しているのだから。けやきひろばに設置された特設フットサルコートでも、MIFAはイベントを繰り広げてくれたのだ。

6月にリリースされる待望のファースト・アルバム『AMIGO』(スペイン語で友達の意)を引き合いに出しながら「新人バンドですから……」と、やけに殊勝な態度で会場を笑いに包む桜井とGAKU-MC。「でも、音楽とサッカーが好きなやつに悪いやつはいないね、ホームみたいな気持ちで演奏できてます! ありがとう!」と、一礼する二人。そんなピースフルな雰囲気をさらに温かなものにしたのは『AMIGO』からのアルバム曲、“サンシャインエブリデイ”。ステージ上部のスクリーンには歌詞が映し出される。「みんなと僕らでこの歌を完成させたいんだ」という桜井の言葉の通り、キャッチーなメロディーを、すぐに会場全体が大合唱する。

続く、“握手”では、曲の冒頭、スクリーンに男女が言い合う姿や戦争の映像など様々な争いの映像が映し出される。炸裂するバンド・サウンドにステップを踏む、桜井とGAKU-MC。映像はやがて争う人々が手をつなぎ、和解するものに変化していく。美しいピアノの響きとともに許し合い、分かち合うことの大切さが歌われていく。

「最高だ、これ!」がっちりと握手をする桜井とGAKU-MC。確かにここまで披露されたセットリストのほとんどが新譜『AMIGO』の収録曲だと言うのにも関わらず、オーディエンスはウカスカジーと理想的なコラボレーションをみせている。

終盤、「桜井和寿と知り合うきっかけになった曲をやります」というGAKU-MCの言葉とともに披露されたのは、なんとあの名曲、“昨日のNo、明日のYes”。桜井がBank Bandでこの曲をカバーしたことが彼らをつなげるきっかけになったのだという。曲間ではバンド・メンバーを紹介する一幕もあったのだが、ここでまさかのサプライズ。バックバンドの紹介が終わり、GAKU-MCが「ボーカル・ギター、桜井和寿!」と叫んだ次の瞬間、桜井がアコギを掻きむしりながら歌いだしたのは、Mr.Childrenの“名もなき詩”。誰も予想だにしなかったサプライズに会場は大興奮。1番サビまでしっかりと歌い上げたサービス心たっぷりのウカスカジー……そのいたずら心たっぷりな大人な余裕がニクかった!

そして、ラスト1曲「今日、一番の声を聞かせてください!」という桜井のシャウトともにはじまったのは日本代表の公式応援ソング“勝利の笑みを君と”。曲にあわせてタオルをふるオーディエンスの声援に応えて、最後の最後までステージを端から端まで駆け抜ける、ウカスカジーの二人。ポジティヴな明日へのエールで、VIVA LA ROCKを祝福した。

(江波戸 日)

セットリスト

  • 1. 手を出すな!
  • 2. サンシャインエブリデイ
  • 3. 握手
  • 4. 春の歌
  • 5. mi-chi
  • 6. 昨日のNo、明日のYes ~ 名もなき詩
  • 7. 勝利の笑みを君と