5.3 SUN 20:00-21:00 STAR STAGE
[Alexandros]

心技体、ひとつに。若き王者、怒涛の60分

場内が暗転した途端、大きな歓声が沸き上がる。それも当然。きょうのヘッドライナー、しかも[Alexandros]の登場なのだから。先に言っておくと、とんでもないパフォーマンスだった。演奏も、歌も、ライティングも、全てが理想的なロックショウ。ヘッドライナーというプレッシャーを完全に楽しむ4人の若者の姿がたまらなく眩しかった。

ライヴ冒頭から「暴れまくっちゃいましょう!」というヴォーカル川上のひと声で、みな準備万端。“Stimulator”が始まると地面が揺れるほどの盛り上がりを見せる。ソリッドで分厚い演奏は“若き王者の貫禄”と言いたくなるほど圧倒的。祝祭のようなドラミングに導かれる原始的なグルーヴが強烈だ。「聞こえねぇぞ、さいたまぁ~!」という川上洋平(Vo&G)の煽りに、なにくそとオーディエンスも声を上げる。

終始、メンバーの気合いが背中からゆらゆらと立ち上っているようだったが、中でも川上の気迫は凄かった。“city”の終わりには「こんなもんじゃねぇぞ!」と言わんばかりに咆哮。「緩急」という概念が頭からすっぽり抜け落ちたかのように曲を叩き込み、60分という持ち時間のどの瞬間を切り取ってもピークタイムという凄まじさ。オーディエンスは最後まで4人の勢いに飲み込まれっぱなしだったと言ってもいいだろう。

汗を滴らせながら熱演した“Run Away”が終わると、フロアはスッと静まり返る。これだけ圧倒的な演奏を続けざまに見せられた後じゃあ仕方がない。「音楽という魔法にどっぷり浸かってます」、「いい日ですね。噛み締めてます」といった一言一言に4人の実感が滲む。ひと息ついた後は、6月に出るアルバムから新曲を初披露。そして、本編ラストの“Kick&Spin”をフロアとスタンドが一体となったシンガロングと共に歌い終え、いったんステージを後に。

再びステージに姿を現した4人。曲に入る前、「人に知られる前から扱ってくれたり、表紙にしてくれて……。初日のトリを任された時は本当に嬉しかったです」と、MUSICAとの思い出を振り返り、感謝の言葉を主催者に送った。そして、本当に最後の曲“Starrrrrrr”をすべての人たちに向けて演奏し、STAR STAGE初日を締めくくった。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. Stimulator
2. Waitress, Waitress!
3. city
4. ワタリドリ
5. Dracula La
6. Run Away
7. 新曲
8. Kick&Spin
en. Starrrrrrr