5.3 SUN 14:10-14:50 TSUBASA STAGE
Predawn

Predawn、新ステージでたおやかに舞う

今年から新設されたビバラ第4のステージ“TSUBASA STAGE”。新たな試み、そして屋外ステージということもあり、今年は各日3組のみの登場となる。その記念すべき1組目のアーティストはPredawn。空は快晴。向かい風がちょっと強いけど、彼女のステージを楽しむには絶好の天気だ。

Predawnこと清水美和子が、サポートメンバーのガリバー鈴木(コントラバス)と神谷洵平(ドラム)を引き連れてステージ上に姿を現すと、この陽気に相応しい温かい拍手が出迎える。「こんにちは、Predawnです」と控えめに挨拶した後、早速アコギを優しく爪弾き始める。1曲目は“Over the Rainbow”だ。彼女の柔らかくも芯のある歌声が広場を通り抜けてゆく。実に心地いい。そんな想いを知ってか知らずか、彼女は歌い終わった後にニッコリと微笑んで、ステージの感触を確かめながら、すぐさま次の曲“Keep Silence”のアルペジオを奏でる。アコギからエレキに持ち替えてプレイしたソフトロックナンバー“Universal Mind”、“Tunnel Light”、“Hope & Peace”と、テンポよく披露。

日差しが強いにもかかわらず、オーディエンスは微動だにせずステージを一心に見つめ、歌が終わるとハッと我に返ったかのように拍手を送る。ステージの後ろを新幹線や埼京線が走り抜けようが、すぐ横にあるVIVA LA GARDENの賑わいが聞こえてこようが、このエリアだけは別世界。まるで絵本のページをめくっているかのような、のどかな時間が流れていく。

清水が「素晴らしいメンバー」と紹介した鈴木と神谷の演奏も素晴らしい。派手に主張するのではなく、彼女の歌とギターをそっと支える名脇役ぶりを存分に発揮していた。MCでは「これでビールでもあったら……」とこの晴天に少しだけ恨めしそうな清水だったが、「まぶしそうだなぁと思いながら上から見守ってるので、がんばってください」という、彼女独特のとぼけたエールを客席に送り、ラストスパート。最後の“キャンパスノート”を今日一番の力強さで歌い上げると、「ありがとう」とひと言だけ言い残し、足早に、そしてかわいらしくステージを去っていった。

このステージはさいたまスーパーアリーナのすぐ脇にある。いつもなら公演アーティストの看板が掲げられているあの辺りだ。GARDEN STAGEと共に観覧無料なので、気になった人は今すぐさいたま新都心へ。今ならまだ間に合う。今日がダメなら明日明後日にでも。 

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. Over the Rainbow
2. Keep Silence
3. Universal Mind
4. Tunnel Light
5. Hope & Peace
6. 霞草
7. Autumn Moon
8. Suddenly
9. キャンバスシューズ