5.29 SUN 18:30-19:20 STAR STAGE
10-FEET

10-FEETがシーンの先頭を突っ走れる理由

10-FEETは7月20日に約4年ぶりとなる作品『アンテナラスト』をリリースする。この間、カバー作品のリリースがあったとはいえ、4年という年月はかなり長いし、普通ならシーンにおける存在感が弱くなりかねない。しかし、この3人組の場合は逆にぐいぐいシーンの先頭へと上り詰めていった。自身の主宰フェスの存在はもちろん大きい。だが、それを含めた一つひとつのライヴを大事にし、しっかり結果を残し続けてきたからこそ今の彼らがあるんだと思う。

今日のライヴもそうだった。たまアリの床激震の1曲目“VIBES BY VIBES”で幕を開けた後、「ありがとうございました!10-FEETでした!また会おうねー!……それではアンコール始めます!」と開始5分で本編を切り上げ、長いアンコールの1曲目“STONE COLD BREAK”へと突入。「お前らどうしたいの!?わかりやすい形で見せろよ!怪我する寸前まで行くぞー!」と絶妙な煽り文句で観客を焚きつけ、さっき以上の激しさで床を揺らす。

そんな熱っぽいパフォーマンスで幕を開けたライヴだが、MCでは「DEAD POP FESTiVAL 2016に来たみんなー!」とまずはひとボケし、ベースがすかさず「それあかんやん」とツッコミ。その後もちょこちょこベタにボケを重ねながら、ようやく“super stomper”へ。

もちろん、いつものように熱いことだって言う。「いろいろあるやろうけど、諦めの悪いヤツになれよ!もし最終的に届かずとも、絶対無駄にはならへん。それを諦めへんかったからこそ、次に誰かのためになれる力が宿ったりする!」と歌と同じぐらいの絶叫でメッセージを伝えてから、“その向こうへ”を熱く歌い上げたり。

そんなステージ上の熱量はフロアにも伝播する。“goes on”では大小のモッシュサークルが生まれてあちこちで左回りが始まったり、TAKUMAの指示に従って床にしゃがみ、サビのタイミングに合わせて一斉に跳び上がったり。こうやって、ステージとフロア双方が、1時間に満たないライヴを全力で楽しんだ。

ライヴ終盤、明日死んでもいいと思えるライヴはなかなかできないとTAKUMAは言っていた。だけど、今日みたいなライヴに数多くのキッズが救われてるんだ。“CHERRY BLOSSOM”で大量のタオルが宙を舞う中、そんなことを思った。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. VIBES BY VIBES
2. STONE COLD BREAK
3. RIVER
4. super stomper
5. 2%
6. 1sec.
7. その向こうへ
8. 風
9. goes on
10. CHERRY BLOSSOM

撮影=岸田哲平