5.28 SAT 14:30-15:05 CAVE STAGE
Awesome City Club

2人のフロントマンが高め合い
熱狂の「ここではないどこか」へ

昨年に引き続いてのCAVE STAGE出場となるAwesome City Club。ここまででは最大の集客を見せ、フロアは奥までぎっしりと人で埋まっている。いつものようにTHE FLAMING LIPSの“Race Fir The Prize”が流れ、メンバーが一人ひとり姿を現すと、もうそこは架空の国=オーサムシティ。atagiの印象的な弾き語りからスタートした“Lesson”のチルウェイヴなシンセがオーディエンスを「ここではないどこか」へと連れ去っていく。“4月のマーチ”で早速キュートな魅力を振りまいたPORINも、いつになくハイテンションだ。

「2年目ありがとうございます。明らかに去年より人が多くなってる!」と嬉しそうに話したatagiは、ストリングスが印象的な新曲の“Don’t Think, Feel”でハンドマイクになってオーディエンスを煽り、続くもうひとつの新曲“Vampire”では今度はPORINがハンドマイクでピョンピョン飛び跳ねる。フロントの2人が競り合うように派手めのパフォーマンスを繰り広げることで、バンドの求心力やフィジカルも確実に上がってきている。

特にPORINの成長は大きく、「みんなともっとつながりたい!」とさらなる手拍子を求めて始まった“アウトサイダー”ではオーディエンスをリードし、見事会場中が一体となって手を振るなど、実に頼もしい姿を見せていた。また、Ovall人脈との絡みによって楽曲のプロダクション自体も向上していて、ブラックミュージックのグルーヴを下世話にならずにJ-POPへと昇華する手腕にも磨きがかかってきているようだ。

オーディエンスの熱狂的なリアクションに対し、「凄いね。俺ら人気者っぽいね。来年もうちょっと大きなステージでやれそうな気がしませんか?」「眼鏡新しくしたから、後ろの方で手がにょきにょき伸びてるのも見える。ホント嬉しい」とatagiが充実した表情で語ると、最後の“涙の上海ナイト”はイントロですぐに歓声が上がり、「トン・ナン・シャー・ペー」のコール&レスポンスもばっちり。終演後のフロアで起こったどよめきのような歓声が、この日の手応えを確かに物語っていた。

(金子厚武)

セットリスト

1. Lesson
2. 4月のマーチ
3. Don’t Think, Feel
4. Vampire
5. アウトサイダー
6. 涙の上海ナイト

撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)