5.29 SUN 12:20-12:55 CAVE STAGE
Crystal Lake

ハードコア代表Crystal Lake、
血が滲むほどの爪痕をビバラに残す

ここ数年、ハードコアシーンを中心として徐々に幅広い層へとアピールしつつあるCrystal Lake。最近になって彼らの存在を知った人は驚くかもしれないが、2002年結成と活動歴は長い。2012年にボーカルが変わったことが今の躍進のきっかけのひとつであるとはいえ、元からシーンの実力派だったのだ。ビバラ出演はバンドとしてのみならず、ジャンルとしても初のことだが、客電が落ちると多くの観客が彼らの登場を叫声と手拍子で迎えた。

オープニングナンバーは傑作の呼び声高い最新作『Sign』から“Prometheus”。ヴォーカルRyoがのっけから「サークルピット!」とフロアを煽る。外音の調子はかなりよく、楽器の粒立ちがいい。それにしても、高速ビートで疾走してからのビートダウンはCAVEの屋根が落ちそうなぐらい激重だ。フロアでもまるでライブハウスにいるかのようなハードコアモッシュが展開。続く“Matrix”でもRyoが振るタクトに合わせて、観客は大暴れ。多くのクラウドが心をひとつにして暴れまわっている光景に胸が熱くなる。

「俺らビバラ史上一番ヘヴィなバンドとしてここに立ってます。まだまだボルテージ上げていこうぜ!」と、「Up! Up! Up! Down! Down! Down!」のコーラスがヘビーでキャッチーな“Ups&Downs”をプレイ。そう、Crystal Lakeの音楽はただヘヴィなだけではない。つま先まで震えるような極重な音像の中に、フックになる要素がさり気なく散りばめられているのだ。その最たる例が続くLimp Bizkitのカヴァー“Rollin’”。海外のハードコアファンも唸らすほどの名カバーにCAVEの観客も激ノリである。

エンディングは“Dreamcatcher”。フロアでいくつものスマホの光が揺れる中、叙情的なナンバーで再び皆の心をひとつにし、非常に短い時間ではあったが大充実のステージを終えた。今回は新譜中心のセットリストとなったが、それは今の彼らの自信の表れ。もっともっとカマして欲しい。そして、もっともっとハードコアに触れるリスナーが増えたらいい。今日のライブがその記念すべき第一歩だ。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. Prometheus
2. Matrix
3. Mercury
4. Ups&Downs
5. Rollin’
6. Dreamcatcher

撮影=釘野孝宏