5.29 SUN 15:35-16:10 CAVE STAGE

ドラマチックアラスカ

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むき出しの闘志で爆走！
さらなる進化を予感させた「人間ロック」

昨年に引き続きCAVE STAGEに登場したドラマチックアラスカ。まずはドンと一音合わせると、“無理無理無理”でライヴがスタート。驚くくらいの爆音で猛進していくエッジィな音像に突き動かされるように激情的になっていくヒジカタの歌。透明感のあるメロディという軸はまったくブレないが、そこに込められた熱とエモーションの量が、この1年で飛躍的に増している。太くビルドアップされたリズムもバンドとしての成長を強く感じさせるものだが、何よりも、少々ヨレようが音程を外そうが構わない！とばかりに前へと猛進するその歌が、バンドを強く引っ張っていた。

拍子木をカンカンと叩いて披露された“ニホンノカブキ”が、そのアグレッシヴな歌に呼応するようにして4音がさらに爆発力を増してCAVE STAGEを一気に打ち抜く様が実に痛快だった。この一瞬にどれだけ素っ裸の自分を曝け出し、叩き込めるか。そういう切実な真剣勝負感と、「伝えたい」という想いが過去最大の強度で伝わってくるライヴ。「去年もここCAVE STAGEに出させてもらったんですけどね、去年ここに出ていたバンドは、みんなあっち（VIVA! STAGE）に行っちゃったんですよ。だからね、次は自分達の番やと思いながら頑張ろうと思ってます」という言葉には、彼の内面にある闘争心も滲む。

そうして自身の内面をさらに暑苦しく曝け出せるようになった要因のひとつとして大きいであろう曲が、4曲目に披露された“河原町駅”。ただ高揚を煽ったりFunな空気を鳴らすだけではない、自分の内面に深く潜っていくエモーショナルな歌がジックリと染み入って来て、それがめちゃくちゃよかった。ラストナンバー“人間ロック”では、＜ろくでなしに愛を鳴らせ＞のコール&レスポンスを、スマホアプリで生配信映像を観ている人にも強いるという執念深さ。ヒジカタの「アプリ～!!」という妙な叫びにもなんだかグッときてしまうほど、前に前に迫りくる姿が歌と音そのものに宿っているのだ。それこそ“人間ロック”という言葉そのまま。その生き様を無漂白で音楽に乗せていこうとする気概が、ハンパない熱量で伝わってくる名アクトだった。

（矢島大地）

セットリスト

1. 無理無理無理
2. ニホンノカブキ
3. 東京ワンダー
4. 河原町駅
5. 人間ロック

撮影＝Viola Kam (V'z Twinkle)