5.28 SAT 17:30-18:30 GARDEN STAGE
Getting Better

(DJ:片平実、神啓文、西村道男)

20年という類まれな軌跡、その旗を
埼玉の地に立てた万感の放熱プレイ!

夕方帯のGARDEN STAGEには、1996年に始動し、今年で20年のキャリアを数える百戦錬磨のDJチームGetting Betterが登場。「ミックスCDを出します!」という嬉しい知らせで歓声を呼び込んでからスタートしたそのステージは、サカナクションの“アルクアラウンド”で始まり、終演を迎えるまで完全に彼らの独壇場でありながら、その場にいたすべてのオーディエンスをGARDEN STAGEという空間を構成する「主役」へと変えていくような、そんな素晴らしいアクトだった。ひとりひとりがGetting Betterチームがスピンする数々のロックの名曲にひとりひとりが心踊らせ、放出させたその感情が、その熱狂が、この時間・この空間を作っていくんだ――そんな意志が歓びと共に投げかけられていた。

BUMP OF CHICKENに [Alexandros]、キュウソネコカミやKANA-BOONらの楽曲群を音圧を上げながら投下し最初の爆発を演出すると、その後は椎名林檎や星野源をスピンしてアダルトなグルーヴで横揺れを促したり、かと思えばMONGOL800やWANIMAでオーディエンスの拳をぶち上げさせ涙腺を熱く刺激したり―――と、感情もフィジカルもフルに揺さぶり躍らせるようなダイナミクス溢れるロックDJを披露。音楽から生まれる嬉々としたエモーションをこれでもかとスパークさせる最高のプレイで、GARDEN STAGEにロックの熱狂とダンスの歓喜が描く巨大な幸福を描き出していった。

Getting Betterの主宰である片平実が何度も「本当に楽しい。ありがとう!」と叫んだプレシャスな時間は、歴史的名曲Hi-STANDARDの“STAY GOLD”で大団円。「ロックで踊る」「ロックで心を解放する」というシンプルな喜びを60分間演出し続けた彼らには止むことのない拍手が送られた。プレイ中終始振られていた彼らの20年分の軌跡が刻まれているGetting Betterのフラッグは、この日の熱気を吸ってこれからも新たな風を受け続けるだろう。

(黒田隆太朗)

撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)