5.29 SUN 20:00-21:00 STAR STAGE
星野源

今最も「スター」が似合う男
星野源が祝祭を華やかに締め括る!

2016年のVIVA LA ROCKもいよいよ残り1アクト。傑作『YELLOW DANCER』を引っさげて、さらに輝きを増した星野源がSTAR STAGEに堂々大トリとして帰還です!

銀河万丈のナレーションを受けて登場した星野はいきなりオーディエンスをバックにスマホで自撮りをすると、「こんばんは、星野源でーす!」と挨拶をして“地獄でなぜ悪い”からライヴがスタート。ホーンセクションを含んだバンドが華やかなアンサンブルを奏で出すと、場内が一気にダンスフロアへと変わっていく。オルガンとタンバリン、そしてマリンバが入った“化物”も実に軽快だ。

「2年ぶりのVIVA LA ROCK、大トリ務めさせていただきます!」という言葉に客席から「おかえり!」という声が上がると、「ここ埼玉は私の故郷なんです。ただいま」と返事。「ひさしぶりに母からメールがありました…特に内容のないメールでした」と笑って話すと、「踊れビバラ!」と呼びかけて、小気味いいカッティングに自然と体が動く“桜の森”へ。続くAOR調の“Snow Men”をファルセットを交えてムーディーに歌い上げると、スタンド席には自然とスマホのライトが広がり、ちらちらと舞う雪のような、季節外れの幻想的な光景が繰り広げられた。

この光景に星野は「すごいね!」と驚き、「スマホ持ってる人みんなやってみてよ」と呼びかけると、アリーナを含めた会場全体が光に包まれ、「今告白されたら絶対オッケーする!」と感動。しっとりと弾き語りで届けられた“くだらないの中に”は美しい光景を作り上げたオーディエンスに対するお返しのようで、場内は温かな拍手に包まれた。

「2012年の夏にシングルを出しまして、その時に『MUSICA』が初めて表紙にしてくれたんです。その記事でいろんな人に自分のことを知ってもらえたので、今でも感謝しています。今日大トリを務めることができて本当に嬉しいです」と改めて感謝の言葉を述べると、そのシングル曲“夢の外へ”を披露。2ビートから3拍子に切り替わる難しい手拍子をこなすオーディエンスを「素晴らしい!」と絶賛し、“Crazy Crazy”ではギターを置いてハンドマイクとなった星野と共に会場中がジャンプ!場内の熱はますます高まっていく。

続いてバンドメンバーの紹介が行われたのだが、ここでサプライズ。伊賀航、河村“カースケ”智康、石橋英子といったおなじみのメンバーと共に、「ギター、鈴木茂」という名前がさらりと紹介されたのだ。細野晴臣と共にはっぴいえんどやティン・パン・アレーで活動し、以前からリスペクトを寄せていたギタリストとの共演は、星野にとってたまらないものだっただろう。

ライブ終盤は『YELLOW DANCER』からのダンスナンバー3連発。「もう100回ぐらい歌った、しかし何度歌っても飽きないこの歌」と“SUN”を紹介すると悲鳴のような歓声が上がり、大サビでは金色の紙テープが大量に発射される。再び場内がダンスフロアと化し、“Week End”のアウトロでは「ラララ」の大合唱に包まれ、最後は満面の笑みで“時よ”の「バイバイ!」を歌い上げた。

アンコールでは『YELLOW DANCER』が多くの人に聴いてもらえたことに改めて感謝を伝え、最後に披露されたのはアルバムでもラストに収録されている“Friend Ship”。アウトロでは再び抱えたギターを一心不乱に掻きむしり、VIVA LA ROCKの2日間が熱狂の中で締め括られた。

(金子厚武)

セットリスト

1. 地獄でなぜ悪い
2. 化物
3. 桜の森
4. Snow Men
5. くだらないの中に
6. 夢の外へ
7. Crazy Crazy
8. SUN
9. Week End
10. 時よ
EN. Friend Ship

撮影=岸田哲平