5.28 SAT 20:00-21:00 STAR STAGE
サカナクション

STAR STAGEの大トリに帰還
トライバルなレイヴ空間を創出

VIVA! STAGEでライブを行った盟友Base Ball Bearの後を受ける形で、サカナクションが2年ぶりのSTAR STAGEに再び大トリとして帰還。まずはメンバー全員がステージ前方に置かれたノートPCの前に整列して“ミュージック”からスタート。サビではさいたまスーパーアリーナの巨大なフロアが大きく揺れ、一瞬の暗転の後にバンドセットに切り替わると、その揺れがさらに大きくなる。これぞサカナクションのライヴだ。

「VIVA LA ROCKに帰ってきました。僕たち私たちサカナクションです」という山口一郎の挨拶に続き、“アルクアラウンド”や懐かしい“アドベンチャー”、ダビーな展開も盛り込んだ“モノクロトウキョー”と、序盤はBPM130~140くらいの四つ打ちを基調としたダンサブルなロック路線が続く。「まだまだ踊れる?」とオーディエンスを煽ると、“夜の踊り子”では和装をした日本舞踊の踊り子2人が曲に合わせて舞を披露し、和と洋の、舞とダンスの独特な折衷を展開していく。

さらに「みなさん、まだまだ一緒に踊っていただけますか?」「準備はいいか?この瞬間を楽しもう!」と何度も呼びかけると、岩寺基晴と草刈愛美が和太鼓を乱れ打ち、“SAKANATRIBE TRANCE MIX”のトライバルかつトランシーなダンスタイムがスタート。山口も回すと模様が浮かび上がるライトセーバーのようなバチを掲げて踊りまくる。7月には初の野外レイヴイベント「SAKANATRIBE」の開催を控え、ここが現在のバンドの最新モードだと言っていいだろう。

続く“アイデンティティ”からは横綱相撲。サビで一斉に手を振るオーディエンスを見て、思わず山口が「すごい景色」とこぼし、感極まったような表情を見せるほど、会場中の盛り上がりがすごいことになっている。そして、“ルーキー”だ。この曲のイントロが鳴り、2本のライトが放射状に広がる瞬間は何度味わっても鳥肌が立つ。最後にもう一度「改めまして、僕たち私たちがサカナクションです」と告げると、ラストは“新宝島”。「また来年、VIVA LA ROCKで会いましょう!」という台詞を残し、本編が終了した。

鳴り止まない歓声に応えてステージにメンバーが再度姿を現すと、山口は「今日はみなさんと同じ入場ゲートから入って、いろんなところを見たんですけど、ここ最近行われてるフェスの中では、ビバラが一番音がいいです。鹿野さん、頑張ってますね」と話し、「その気持ちに応えるために、みなさんの夏に備えるために、もう一曲おつきあいください」と“Aoi”を披露。会場中の大合唱で、見事にVIVA LA ROCKの初日を締め括った。

(金子厚武)

セットリスト

1. ミュージック
2. アルクアラウンド
3. アドベンチャー
4. モノクロトウキョー
5. 夜の踊り子
6. SAKANATRIBE TRANCE MIX
7. アイデンティティ
8. ルーキー
9. 新宝島
EN. Aoi

撮影=岸田哲平