5.28 SAT 18:50-19:35 CAVE STAGE
Suchmos

CAVE STAGEのトリから始まる
夢への第一歩

今年頭にリリースしたEPがロングヒットを続け、一気にブレイクを果たしたSuchmos。彼らがCAVE STAGEのトリを務めることに異論のある人はいないだろう。地元の仲間たちが遊びの延長で鳴らし始めたロック、ソウル、ジャズ、ヒップホップを織り交ぜたクールなバンドサウンドが徐々に全国へと広まっている。

サウンドもそうだが、何と言ってもこのバンドはメンバー全員の出で立ちがカッコいい。不良ではないけど、ちょっと悪そうな雰囲気はかつて多くのロックバンドがまとっていたものではないか。ステージへの登場もいたって普通なのだけど、なんだかときめいてしまう。 同じようなことを感じているであろう観客のハートを冒頭からがっちり掴みつつ、1曲目“YMM”をプレイ。うん、このステージが持つクラブのような雰囲気が彼らのようなバンドには合う。続いて、“Get Lady”。これに限らず、Suchmosの曲はギターや鍵盤のフレーズが比較的シンプルだ。そこでHSUの派手なベースラインが音の隙間を埋め、温かみのあるドラムがボトムを支える。KCEEのDJも丁寧なプレイに徹しているし、無駄な音が鳴っていない分、“STAY TUNE”などで時折挿入される歪んだギターや、YONCEの歌が引き立つのだろう。

音源から大幅にアレンジを変えた“GAGA”や“Alright”は特によかった。ライヴを重ねていく中で変化していったのか、実に気持ちいいツボを突いてくる。ベースソロやDJソロなどで存分に遊んだ“GAGA”では、みんな気持ちよさそうに体を揺らしていた。 アンコールを求める盛大な手拍子に応えて演奏したのは、7月にリリースするEPから“MINT”。一日の興奮をクールダウンするような楽曲で、ピアノの音色が耳に優しい。最後にころころと転調していく展開が最高だ。この夏再びシーンの話題をかっさらうだろう。

YONCEは最後にこう宣言した。「ここのステージ、小さいだろ?いつかさいたまスーパーアリーナでワンマンやっから!」彼らが目指すのはひとつ上のVIVA STAGEではない。もっと大きな夢を抱いて、シーンを駆け上がっていくのだ。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. YMM
2. Get Lady
3. STAY TUNE
4. GAGA
5. Alright
6. BODY
EN. MINT

撮影=釘野孝宏