5.28 SAT 17:45-18:20 CAVE STAGE
水曜日のカンパネラ

カオスも熱狂も手中に収めた
弩級のエンターテイナー

今回がビバラ初登場となる水曜日のカンパネラ。しかし、コムアイには緊張も気負いも全くないだろう。なぜなら自分の出番よりも前に、VIVA LA J-ROCK ANTHEMSの一員として既にSTAR STAGEで出演を果たしているからだ。あれだけ衝撃的なパフォーマンスをカマした後なら、もうなんでもできるはず。

CAVE STAGEはライブ開始時刻のかなり前からパンパン。穴ぐらに立ち込める熱気がとんでもないことになっている。じっとしていても汗が滲んでくるほどだ。

あまりの混雑に「これじゃあ、後ろの人は全く見えないな……」と思っていると客電が落ちた。しかし、ステージにコムアイの姿はない。すると、フロア最後方から突然黄色い歓声が上がった。何事かとそっちへ目をやると人の上に浮いたコムアイがいるではないか。フロアが一気に混乱状態へ陥る中、“メデューサ”のトラックが鳴りだす。これには場内大興奮。コムアイはそのままリリックを吐き出しながらオーディエンスの上を移動しステージへ向かう。その様子は完全にナウシカ状態。なんだこれ、異常すぎるだろう。

ようやくステージまでたどり着いたコムアイは「なんでこんなに集まったの!?」と驚きを隠せない。その理由は続く“ディアブロ”前のコールアンドレスポンスの練習ではっきりした。最初から息がピッタリ。みんな水カンが大好きなのだ。

観客の汗で湯気が立ち上る中、お風呂ソングを堪能した後は、シームレスに“桃太郎”のトラックが流れだす。みんな、この曲を待っていた。囁くようにリリックを呟くコムアイとは反対に、観客は大合唱。そんな熱狂をよそに、コムアイは水遊び用のボートに乗り、再び観客の頭上を移動開始。こともあろうにフロアのど真ん中に着地してしまった。そこで最後の“ドラキュラ”を披露し始めたのだが、今度は電飾に彩られたボートに乗り込み、最初に姿を現した客席後方へと去っていくのだった。

どうやら彼女のことを甘く見ていたようだ。何かやるだろうとは思っていたが、ここまでの混沌を引き起こし、一流のエンターテイメントとして成立させてしまうとは。ライブ後、ケガ人の有無を問いかけるアナウンスが流れるほどの状態だったが、フロアの興奮は全く収まらなかった。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. メデューサ
2. シャクシャイン
3. ディアブロ
4. 桃太郎
5. ドラキュラ

撮影=釘野孝宏