5.28 SAT 14:55-15:35 VIVA! STAGE
THE ORAL CIGARETTES

リベンジを果たしたオーラル、
飽くなき躍進を目指す

VIVA LA ROCKには3年連続登場。関西出身のTHE ORAL CIGARETTESだが、もはやこのフェスは紛うことなきホームグラウンドと言っていいだろう。“気づけよbaby”を本気モードで披露した転換時のサウンドチェックから前方にお客さんがどんどん集まりはじめ、本編スタート時には後ろまでぎっしり。今の彼らの勢いをひしひしと感じる。

山中拓也(Vo&G)が「一番格好いいステージやりにきました!」と告げてライブはスタート。1曲目“起死回生STORY”からいきなりトップギアだ。全員が飛び跳ね、声を重ねる。“大魔王参上”“STARGET”とエネルギッシュなナンバーを続け、バンドとオーディエンスが一体になって上り詰めていく。

「お前らの一番大きな声を聞かせてくれ!」とフロアを煽ってのコールアンドレスポンスに続けては“A-E-U-I”。山中、鈴木重伸(G)、あきらかにあきら(B)のフロント3人が身体を大きくくねらせる。中西雅哉(Dr)が身体に響くビートを叩き出す。山中のハイトーンのシャウトと色気ある歌声、闘争心あるキャラクターに目がいきがちだが、バンドの骨格がどんどん逞しくなっている。そのことが人気拡大の第一の理由だと思う。

MCでは、山中は「正直に言わせてちょうだい」と、過去の出演の思いを語る。昨年はVIVA! STAGEを埋めきれず、悔しさの残る結果になったのだという。「でも3年目にして、一番後ろまで入ってるじゃないですか。それが嬉しいんです!」と誇らしげに告げ、お客さんも歓声でそれに応える。

そして、新曲“DIP-BAP”を披露。これが不思議なキャッチーさを持つ一曲だった。重心の低いヘヴィなグルーヴとフックの強いメロディでぐいぐいと引き込んでいく。ダークで複雑な曲展開ながら独特の中毒性を持つナンバーに乗せ、オーディエンス全員が大きく手を振る。

終盤は“カンタンナコト”から“狂乱 Hey Kids!!”とフロアのテンションをぶち上げ、4人はライヴを終えた。「来年、STAR STAGEで会いましょう」と山中は何度も繰り返していた。きっとその言葉は現実のものになるだろう。

そして、「いつか、ここでワンマンやりたいって思ってるんです」と告げたもうひとつの夢も、ひょっとしたら、いずれ形になるんじゃないだろうか?そんな予感さえ抱かせるステージだった。

(柴 那典)

セットリスト

1. 起死回生STORY
2. 大魔王参上
3. STARGET
4. A-E-U-I
5. DIP-BAP
6. カンタンナコト
7. 狂乱Hey Kids!!

撮影=古渓一道