5.2 TUE 20:40-21:10
BRADIO

楽器陣がステージに上がるや否や雪崩れ込んだセッションがビシビシと決まり、最大限に熱量が高まったところでヴォーカル・真行寺貴秋が上手から登場。早速フロアに降りていきなり観客とハイタッチを交わし、BRADIO流のハッピーなご挨拶からライヴがスタートした。

小気味いいカッティングと真行寺のセクシーな歌が心地よく溶け合う“Revolution”、ハイトーンなスキャットとソウルフルな熱唱を目まぐるしく行き来するヴォーカルと粘り気のあるグルーヴでグイグイと押してくる“Abracadabra”を続けざまに投下し、その硬軟自在なアンサンブルで一気にフロアの心を掴む。一朝一夕では獲得できない確かな演奏力と、それをより熱く届けるための愚直さ。その両方がキッチリと発揮されているライヴである。日本人らしからぬアフロヘアーの似合い方といい、楽曲ごとに必ず振付を仕込んでいる愛嬌といい、笑ってしまうほど強烈なキャラクターを発揮している真行寺の姿に目が行ってしまいがちだが、その実は熱く硬派で真摯なミュージックラヴァー・バンド。そのファンク愛・音楽愛をどうにか伝えたいと思うからこそ辿り着いたのが、このエンタテインメント性を兼ね備えたライヴスタイルなのだろう。2曲演奏し終えた時点で既にスーツ全体が汗まみれになってしまうほど、必死で愚直なアクトが展開されていった。

ラストナンバー“Back To The Funk”の前には5分弱にもわたるダンス指南のセクションがあったが、結構な難易度のダンスにも「そんなんできるか!」と突っ込むスキがない。それよりも、音楽の楽しさを伝えたいがゆえ必死に動き回る姿とEarth, Wind & Fireの“September”とウルフルズの“ガッツだぜ”が同時に聴こえてくるようなグルーヴに、気づけば体が動き出してしまう。最後まで抑制の効いたクールなリズムを崩さないまま、体も心も抗えない音楽熱を放射し続ける盤石のライヴだった。BRADIOは、5月3日のCAVE STAGEにも出演する。

(矢島大地)

セットリスト

1. Revolution
2. Abracadabra
3. -Freedom-
4. Back To The Funk

撮影=古渓一道