5.4 THU 18:05-18:50 CAVE STAGE
Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)

どこにも行けない人々の不法集会
手加減しない二人の本気!

VIVA LA ROCK 2日目、CAVE STAGEのトリを務めたのはCreepy Nuts。5月2日に同じステージで行われたVIVA LA ROCK 2017 前夜祭にも登場し、存分に盛り上げた彼ら。この日はオリエンタルなギターリフのサンプリングを基軸にしたトラックに乗って観客を煽りに煽りまくる、コール&レスポンス満載の超強力な新曲で幕を開け、そのまま“助演男優賞”と“たりないふたり”という代表曲を立て続けにドロップ。とことん攻め込んでいくこの2人、容赦がない。

R-指定のフローのスムーズさやDJ松永のスクラッチのテクニックの確かさはもちろんだが、彼らの音楽は常に「欠落」とそれを踏まえた反逆を歌っており、これは本質的にロックンロールとヒップホップが共通して持つスピリットであると思う。“どっち”で歌われるように、ドンキにもヴィレバンにもどこにも行けない流刑地で、Creepy Nutsは常にそこに辿り着く人を待っているのだ。言うならば、今日のライヴもまたそんな人々の集会のようなものだろう。

R-指定がオーディエンスからもらったお題でフリースタイルを編む“聖徳太子スタイルフリースタイル”(ちなみに今日のお題は『嫌いなラッパー』、『秋山』、『汁だく』、『セイヤさん』など)と、DJ松永が華麗なスクラッチテクを披露する“DJ松永ルーティーン”というCreepy Nutsのライヴお決まりのお楽しみを経て、脳内麻薬がドバドバ放出されるキラーチューン“合法的トビ方ノススメ”を投下。さらには「俺らもロックンロールを楽しんでもいいですよね」という一言と共に、先日リリースされたASIAN KUNG-FU GENERATIONのトリビュート盤『AKG TRIBUTE』にも収録された名曲“リライト”のカヴァーを叩きつける。ロックフェスでの“リライト”とは、つまり「鉄板」。盛り上がらないわけがないのである。ちなみに、まさに同じ時間帯にVIVA! STAGEで後藤正文がGotch & The Good New Timeとしてライヴを行なっていて、そんな状況下でのこのチョイスも、オーディエンスの熱狂をさらに煽っていた。

セットリスト上は用意された楽曲はやり尽くしたものの、鳴り止まない手拍子に応えて、再び、ステージに登場した二人。予想していなかったと言うアンコールに感極まりながらも、「最後にゴリゴリのヒップホップをやって帰っていいですか!」という言葉とともに、Creepy Nuts の精神性が注ぎ込まれた楽曲“トレンチコートマフィア”を披露。最後まで攻撃の手を緩めずCAVE STAGEのオーディエンスを文字通り、踊らせた二人だった。

(小田部 仁)

セットリスト

1. 新曲
2. 助演男優賞
3. たりないふたり
4. どっち
5. 聖徳太子スタイルフリースタイル
6. DJ松永ルーティーン
7. 合法的トビ方ノススメ
8. リライト
EN. トレンチコートマフィア

撮影=釘野孝宏