5.5 FRI 15:00-15:35 GARDEN STAGE
FRONTIER BACKYARD

子供から大人までスウィングした
最高にピースフルな音楽の宴

VIVA LA GARDEN、最終日のトップバッターは、FRONTIER BACKYARD(以下、FBY)だ。今回のFBYのライヴ編成は、TGMX(Vo&Syn)、福田"TDC"忠章(Dr&Vo)のFBYのメンバーに加え、FRONTIER BACKYARDの前身バンドであるSCAFULL KINGにも参加していたナリ(Sax)がサックスを担当、そして、THE REDEMPTIONからマイ(Trp)がジョイン。これにプラスしてタイチことKONCOSの古川太一(Syn&B)、LEARNERSからチャーべこと松田“CHABE”岳二(Key)、SAWAGIのキーボードであるコイチ(Key)が参加し、トリプルキーボード(内一台はシンセベース)というかなり尖った編成になっている。

初夏というにはあまりにも熱い午後の太陽が照りつけるけやき広場、フットサル・フィールドには多くのオーディエンスが詰めかけている。そんな熱気あふれるクラウドのど真ん中から突如「FBY」という文字が書かれたフラッグが掲げられる。そして、響き渡るトランペットの音色……往年のプロレス中継の如く客席からTGMX(Vo)とマイ(Trp)が姿を現した。1曲目は“2016”。ステージ上で、他のメンバーがファンキーに演奏を繰り広げる中、驚き、歓声をあげるオーディエンスの間を練り歩く、2人。途中、いい感じに酔っ払ったお父さんのビールを取り上げ、一口飲んで見せたりするTGMX。すでにVIVA LA GARDENは最高にピースフルな雰囲気。FRONTIER BACKYARDらしい、ライヴの幕開けである。

そもそもVIVA LA GARDENは屋外での開催のため、さいたまスーパーアリーナの中ほどは音量が出せないステージなのである。にも関わらず “pairyland”、“always remember”、“TWO”と時間が勿体無いとばかりに立て続けに披露された楽曲たちは、根っこからソウルフルかつグルーヴィーで嫌が応にも身体が動いてしまう。プレイヤーたちの力量も遺憾なく発揮されており、“Putting on BGMs”でキーボードソロ合戦が繰り広げられたかと思えば、“Parties and our music echoes”ではナリが熱情的なソロをこれでもかと披露した。福田が自身の子供のために書きヴォーカルをとった“I thank you in my mind”では、会場の子供達を最前列まで呼び寄せる。「18歳未満の子どもたち集まっておいで?」というMCはともするとアブない響きに聞こえるが、最前列で、至上の愛に溢れたメロウでチルなサウンドに合わせて一生懸命手拍子する子供達の姿はこの上なく幸福に見えた。きっと彼ら・彼女らにとっても生涯忘れることのないかけがえのない想い出になったことだろう。満足そうに微笑んで、TGMX、福田"TDC"忠章の2人、そしてサポートメンバーたちは、VIVA LA GARDENを去ったのだった。

(小田部 仁)

セットリスト

1. 2016
2. pairyland
3. always remember
4. TWO
5. Putting on BGMs
6. hope
7. POP OF D
8. I THANK YOU IN MY MIND
9. Parties and our music echoes

撮影=ヤオタケシ