5.5 FRI 13:00-13:35 VIVA! STAGE
G-FREAK FACTORY

隣県・群馬のオールドルーキー、
万感の思いを吠える

「北関東オールドルーキー、となり群馬、ローカルヤンキー、フリーキー。G-FREAK FACTORY、VIVA LA ROCK始めます」

挨拶代わりのサイケデリックなダブ・サウンドに乗せ、ステージに登場した茂木洋晃(Vo)が告げる。群馬代表・G-FREAK FACTORYだ。

彼らが見せてくれたのは、「人間力」という言葉でしか表現しようのないような、大きな包容力と情熱が塊になったステージだった。披露したのは5曲。ルーツ・レゲエの匂いを色濃く漂わせる “Unscramble”、ストレートにエネルギッシュなラウド・ロックの“日はまだ高く”、スローテンポの演奏に乗せてこみ上げてくる感情をぶちまけるフォーキーなバラード“ダディ・ダーリン”。ジャム・セッションもあった。曲調はバラバラである。でも、きっと観た人が受け取ったのは、鳴ってる音の向こう側にある、何か熱くたぎるマグマのようなものだったんじゃないかと思う。

なにしろ中盤、“Too oLD To Know”からの茂木がすさまじかった。ステージを降り、オーディエンスの中に馬乗りになってわけ入っていくと、そのまま支えられて仁王立ちに。そこからマイクを一切使わず、数分にわたって生声で叫んだのである。結成から20年、決して順調ではなかった道程を経て、しかし諦めずにバンドを続けてきたこと。そして、その意志が年輪のように積み重なって、今のこのステージに辿り着いているということ。思いの丈をぶちまけるその声はレゲエのフロウになっていて、すなわち彼はマイクも楽器もスピーカーも使わず生身ひとつでVIVA! STAGEに即興の音楽を鳴らしていた。息を呑むように見守っていたオーディエンスからも、大きな拍手と歓声が沸き起こっていた。

「流れる川は違えど、海はひとつ。そこに賭けてます」。茂木はそう語り、ラストは震災以降に生まれた未来への思いを歌い上げる“EVEN”。さらには全ての演奏を終えステージを降りようとする彼らに「ちょっと待った!」と声がかかり、ビバラの主催者・鹿野 淳からバンド結成20周年を祝ってサプライズのケーキが渡されるというスペシャルな演出も。最後は万歳三唱で締めくくった。

途中では「『山人音楽祭』のブースのために初日にもらったパスを、今日持ってくるの忘れちゃって。鹿野さんに電話してなんとかならないかって言ったら、鹿野さんがパスを貸してくれたんですよ。だからある意味、今日は主催者です!」と語り、オーディエンスを笑わせいた茂木。そう。彼らが主宰し9月23日にヤマダグリーンドーム前橋にて開催されるロックフェス「山人音楽祭」はビバラにもブースを出展中なのです。地元・群馬への愛と誇りを胸に活動する彼らの姿に胸を打たれたあなたは、ぜひ半年後、隣の県にも足を運んでみてほしい。

(柴 那典)

セットリスト

1. Unscramble
2. jam〜日はまだ高く
3. Too oLD To KNoW
4. ダディ・ダーリン
5. EVEN

撮影=HayachiN