5.4 THU 11:45-12:20 VIVA! STAGE
lovefilm

石毛輝&ノブが地元・埼玉で底力を見せる
パンキッシュに駆け抜けた3人編成lovefilm

埼玉出身の石毛輝(Vo&G&Prog)と岡本伸明(B&Syn)は、VIVA LA ROCKと深い関係性を築いてきている。the telephonesは初年度から2年連続でSTAR STAGEのトリを飾り、昨年は活動開始から間もないにもかかわらずlovefilmとしてGARDEN STAGEに出演。ライヴの始まりを告げる「VIVA LA ROCK!」というシャウト入りのジングル(ネクストアーティスト紹介時に流れるサウンドです)も石毛の手によるもので、毎年参加のオーディエンスは今年それがバージョンアップしていることもお気づきだろう。

しかし、VIVA! STAGEに場所を移しての今年の出演を前にアクシデントが発生。江夏詩織(Vo&G&Synth)が一部報道を受けてライヴの出演を見合わせることになり、サポート・ドラマーの福田洋子を含めた3人編成で臨むことになったのだ。この編成でのライヴは今日が2回目、大型フェスへの出演はこの日が初めて。ホームページには「通常の編成とは異なりますが、石毛が底力を見せます」と記されていた。

ステージに3人が登場し、「VIVA LA ROCK!楽しんで行こう!」と始まったのは“Don’t Cry”。もともとlovefilmの音楽性の背景にはアメリカの新世代ガレージロックへのシンパシーがあったわけだが、3人という最小編成で、いつも以上に激しくシャウトをする石毛とノブはまるでパンクバンドのよう。音数は少ないものの、数々のアーティストのサポートで百戦錬磨な福田のプレイにも支えられ、3ピースならではのソリッドな良さが発揮されている。

勢いそのままに“Honey bee”を演奏すると、「ここ埼玉が今日一番楽しい場所になるように」という一言を挟んで、トランシーなシーケンスを用いたダンスナンバーを披露。そのスケール感のまま始まった“Kiss”では江夏のパートを石毛が歌い、石毛のパートをノブが歌い、さらにはふたりがツインヴォーカルを披露するという一幕も。長年の友人である2人がフロントに並んで歌う姿には、lovefilmの持つ「青春性」がまた違った形で表れていたように思う。

“Alien”からの後半戦では再びギアを上げ、ノブがテンションの高いプレイでその場を盛り上げると、「みんなに会いにきたぜ、VIVA LA ROCK!」という石毛の呼びかけに対し、序盤より明らかに多くの手が上がるようになっている。さらにエネルギッシュに“Goodbye,Goodnight”を叩き付けると、ラストに演奏されたのは“Hours”。この曲の長尺のアウトロで石毛とノブが向かい合って演奏する瞬間も、何ともグッとくるものがあった。美しいフィードバックノイズの余韻と共に、そのままライヴは終了。石毛が、lovefilmが、地元の誇りにかけて、底力を見せてくれた。

(金子厚武)

セットリスト

1. Don’t Cry
2. Honey bee
3. Ghost Dance
4. Kiss
5. Alien
6. Goodbye, Goodnight
7. Hours

撮影=HayachiN