5.2 TUE 19:00-19:30
リーガルリリー

早速の盛り上がりを見せたDJタイムに続いて登場したのは、リーガルリリー。VIVA LA ROCK本戦には出演しない3人だが、言ってみれば今年のVIVA LA ROCKで一番最初に音を鳴らすロックバンドである。2017年のキックオフを彼女らに任せたのは、これまでも若手を早くからフックアップしてきたVIVA LA ROCKらしいオープニングだと言える。

先ほどのDJセットでブチアゲ状態になったフロアを切り裂くようにギンギンに尖ったギターが鳴り響き、“ぶらんこ”でライヴがスタート。まだ19歳の3人には初々しい幼さも残っているが、ひとたび音を合わせた瞬間からの潜り方と没頭の仕方がとにかく深い。シューゲイザーの影響が色濃い轟音と、それに声を乗せた瞬間からバーストしていくたかはしほのか(Vo)の歌。先ほどのDJパーティーはどこへやら、フロア全体が身動きもとれないほどの緊張感に包まれていった。そして、やはり特筆すべきはその歌である。一聴すればふわりと柔らかなヴォーカルなのだが、その真ん中にある眼だけは笑っていない。“リッケンバッカー”や“the tokyo tower”などのポップなメロディでも隠し切れないような、得体の知れない闇とか悲しみとか空虚みたいなもの。それが一気に凶暴化する瞬間がどの曲にもあって、一瞬も目が離せないのだ。コントロールできなくなる寸前まで体ごと音に潜っていこうとする3人の姿と深いフィードバックノイズがひたすら美しい。

ひとたびMCになれば「今日は前夜祭ですけど……後夜祭もあるんですかぁ?」とか、「25歳以上の人は絞め出されるライヴっていうことですよね」とか、気の抜けるような会話を披露する3人ではあったが、そのほっこりタイムも束の間、ラストナンバー“高速道路”で喉千切れんばかりに絶唱する姿に、改めての畏怖と、同時に巨大な可能性を感じるライヴだった。

(矢島大地)

セットリスト

1. ぶらんこ
2. トランジスタラジオ
3. リッケンバッカー
4. the tokyo tower
5. 高速道路

撮影=古渓一道