5.4 THU 14:15-14:55 VIVA! STAGE
SKY-HI

「ひっくり返しにきたぜ!」
武道館翌日の新たな一歩をここに刻む

「アイドルグループの一員」という色眼鏡に屈することなく、マイク一本でのし上がり、一ラッパーとして活躍の場を広げてきたSKY-HI。近年はロックフェスにも進出し、昨年末には自身の対バンツアーファイナルに当たる豊洲PIT・2デイズを「MUSICA」とのコラボレーションで行い、UVERworldとクリープハイプとの対バンも実現しているが、VIVA LA ROCKには今回が初登場。昨日&一昨日と初の日本武道館公演2デイズを終えたばかりとあって、文字通りハイな状態でさいたまスーパーアリーナに乗り込んできた。

上下白のスーツに身を包んだSKY-HIのステージは“Seaside Bound”からスタート。ホーンセクションやコーラス隊を含むバックバンド=SUPER FLYERSの厚みのあるサウンドとビッグなコーラスでアタマからテンション高く盛り上げると、「今日の主役が誰か知ってるか?こうやって遊びにきてるお前らが主役だ!」と語りかけ、“Duble Down”へ。エフェクトのかかったベースがファンキーなグルーヴを生み出し、ラテン風味も加えた楽曲に対し、オーディエンスの反応も上々だ。

「ひっくり返しにきたぜ!」という彼の言葉通り、現状ではこの国のロックフェスで彼のいる場所は決して居心地がいいわけではないかもしれない。しかし、「偏見を持って見られる状況を変えてくれた。だから日本武道館の翌日でもここに来た」と「MUSICA」への感謝を伝えると、「2017年のビバラでSKY-HI観てっけどって、自慢できるようにする」と強い決意も口にした。

「とことんラップするよ」と始まった中盤戦ではまずエモーショナルな高速ラップを畳み掛け、「フリースタイルダンジョン」の楽曲をメドレー形式で続けると、「今日のために作ったようなもんだぜ!」という新曲の“Silly Game”を披露。ホーンセクションがリードするアッパーチューンに煽られるように、間奏ではオーディエンスが一斉にジャンプをし、続く“How Much??”では4人のダンサーが大きなフラッグを持って登場して、ド派手にステージを盛り上げた。

「俺たち同じ音楽好きの仲間だと思ってるんだけど、受け入れてくれるかい?」と語りかけて歓声が起こると、「エスコートするぜ、VIVA LA ROCK!」と言って“Limo”、さらには“Countdown”とつなげて行く。ダンサーと共に切れのいいステップを踏みながら熱唱する、その華やかなステージングは、曲を作り、ラップをし、ダンスも踊る、ポップスターSKY-HIの真骨頂と言えるものだろう。ラストは“スマイルドロップ”で大団円を迎えると、最後にもう一度オーディエンスに感謝の言葉を述べて、この日のステージが終了。ジャンルを越境し、さらなる高みを目指して。VIVA LA ROCKでの確かな第一歩がここに刻まれた。

(金子厚武)

セットリスト

1. Seaside Bound
2. Double Down
3. Rapメドレー
  Turn Up
  Welcome To The Dungeon
  Enter The Dungeon
  Tylant Island
4. Silly Game
5. How Much??
6. メドレー
  Limo
  Countdown
7. スマイルドロップ

撮影=HayachiN