5.4 THU 17:10-17:50 VIVA! STAGE
ストレイテナー

澄んだメロと色とりどりのリズムで魅せる、
オルタナティヴを貫くバンドの王道と覇気

若く新しい価値観を持ったバンドが数多く名を連ねる2日目のVIVA LA ROCKだが、バンドミュージックにおけるオルタナティヴな価値観を提示するという意味では、2000年代からずっとその地平を切り開いてきたのがこのストレイテナーだろう。その姿勢の果てに、今やロックバンドとしてのエッジを保ちながら、多面性や大衆性を獲得している音楽集団と化した彼ら。そのライヴが確かな覇気を漲らせてスタートした。

“Little Miss Weekend”、“From Noon Till Dawn”とソリッドな高揚感に満ちた楽曲達で始まり、“DAY TO DAY”を挟み“Alternative Dancer”、“DISCOGRAPHY”とテナー流ダンスナンバーへ。「去年に引き続き2回目の出演になります。去年はニューアルバム(『COLD DISC』)の曲ばっかりやってみんなを惑わせたけど、今日はアゲていこうと思います!」というホリエアツシ(Vo&G)の宣言通り、会場のボルテージが上がっていくセットリストを披露。だが、同時にこの日のライヴでは、彼が口にする言葉達は楽曲の温度を上げるのにも大きな役割を果たしていた。「VIVA LA ROCKに捧げよう。愛のダンスを」という前振りからの“Alternative Dancer”、さらには「ここには屋根があるけど、ちょっとだけ空が見えていて。そこに虹色の雲があると想像してください、その雲の下で大切な人と一緒にいることを想像して聴いてください。“彩雲”という曲をやります」というように、近年のホリエは曲が持つ景色を少しずつ口にするようになっている。そしてそんなロマンチックな言葉が曲に宿る情感を引き立て、1曲1曲の説得力を増幅させるのだ。内に熱を閉じ込めた氷のような声、乾くことのないその発声はより一層鼓膜の奥で揺れ続ける。

最後は鉄壁のアンサンブルがホリエの繊細な感性を掬い上げながら、その心情を透過するような澄み切ったメロディが同居する名曲“シーグラス”でフィナーレ。ステージを去る前、わずか40分のフェスのステージにおいても全員で肩を組んでお辞儀をする姿もまた印象的だった。

(黒田隆太朗)

セットリスト

1. Little Miss Weekend
2. From Noon Till Dawn
3. DAY TO DAY
4. Alternative Dancer
5. DISCOGRAPHY
6. 彩雲
7. Melodic Storm
8. シーグラス

撮影=HayachiN