5.4 THU 13:35-14:15 STAR STAGE
東京スカパラダイスオーケストラ

スカ・ユー・クレイジー!
STARに生まれた音楽によるユニティー

THE BAWDIESに引き続いて、スーツ姿の伊達男たちがSTAR STAGEに登場だ。彼らにとって5月13日から始まる全国ツアーの前哨戦とも言えるステージは、“Paradise Has No Border”で華々しく幕を開けた。そして、あのお馴染みのフレーズが鳴らされると、観客のダンスでフロアが揺れる。そう、“DOWN BEAT STOMP”だ。谷中は縦横無尽にステージを駆け回り、底抜けに明るいスカアンセムを歌い上げる。谷中だけでなく、メンバー全員がステージを楽しんでいる様子がありありと分かる。

「みんなはスカって知ってる?」と谷中がフロアに問いかけると、大きな歓声があがる。それを受けて彼はこう続けた。「おお、マジで?結構嬉しいね。僕らのデビュー当時は(スカを知ってる人は)ほとんどいませんでした。スカはジャマイカで生まれた音楽なんだけど、本国では3年しか流行らなかった。僕らはそれを28年やってます。音楽をやることで28ヵ国も行くことができたし、道なき道を進んできてよかったよ。新しい常識を作る人間は、最初は非常識なんだよっ!」そんな力強い名言に導かれて披露したのは“道なき道、反骨の。”。元々はKen Yokoyamaをゲストボーカルに迎えた楽曲だが、ここでメインをとるのは谷中だ。去年はKenとのコラボをきっかけに多くのパンクファンにも馴染み深い存在となったスカパラだが、28年もの間、彼らはこうやってジャンルも国境も飛び越えてきたんだろう。

スカパラのライヴは曲を知らなくても楽しめるという利点がある。それはスカというジャンルが持つ性格や、メンバーの卓越した演奏技術のおかげもあるが、巧みなステージ運びによるところも大きい。NARGO(Tp)のピアニカソロからはじまり、一気呵成に攻め立てる“SKA ME CRAZY”や、照明も含めてめくるめくスカワールドを展開した“ペドラーズ”もよかったが、ベストを挙げるならやっぱり“All Good Ska is One”だろう。

ラスト1曲であることを知った観客が不満の声を上げると、「その『え〜!』を形にしてもらいましょう……全員手を上げろ!全員で肩を組め!」そして、当フェスを象徴するようなユニティーがフロアに生まれるなか、レイドバックしたスカチューンが始まるのである。本国で3年しか流行らなくたって関係ない。この無数に揺れる手を目の前に、流行なんて何の意味も持たない。ほんの40分の間にSTAR STAGEに音楽による団結を生み出したスカパラは、この光景を目に焼き付けて、これから全国を旅することになる。このポジティヴなバイブスが彼らの旅路の後押しをするのだ。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. Paradise Has No Border
2. DOWN BEAT STOMP
3. Routine Melodies
4. 道なき道、反骨の。
5. SKA ME CRAZY
6. (there’s no) King Of The Ants
7. ペドラーズ
8. All Good Ska is One

撮影=古渓一道