5.5 FRI 18:05-18:50 CAVE STAGE
打首獄門同好会

まさにやりたい放題!
これはロックの新しい可能性かも!?

CAVE STAGEはスタート前からぎっしり満員。CAVE STAGEの大トリを務めるのは、打首獄門同好会だ。「生活密着型ラウドロックバンド」を掲げ、噂が噂を呼ぶようにライヴ動員を増してきた彼ら。初のビバラ出演となる今回は、そのエンターテイナーとしての実力を見せつけるステージだった。

セットチェンジの最中には「みんなにオヤツをあげるから」と、うまい棒を配布していた彼ら。というわけで「うまい棒! うまい棒!」と連呼する“デリシャスティック”からライヴはスタート。“私を二郎に連れてって”、“まごパワー”と続ける。フックだらけのキャッチーな曲調に、食べ物を中心に笑えるネタがたっぷり盛り込んだ歌詞。さらにはVJサカムケがステージの上で踊りながら操作する、歌詞の内容をわかりやすく示した映像。初めて観た人も存分に楽しめるよう敷居を下げたパフォーマンスである。

なのだが、その一方、演奏の底力が半端ないから音に説得力がある。7弦ギターの大澤敦史(Vo&G)と5弦ベースのJunko(B)がヘヴィなリフを叩き出しながら交互に歌い、めまぐるしい曲展開を河本あす香(Dr)が引っ張っていく。「楽しい」と「格好いい」をハイレベルで融合したからこそ、今の彼らの勢いがあるのだろう。

中盤ではDr.COYASSを呼び込み、「言えよ歯!」「歯!」「もっと歯!」「歯!」のコール&レスポンスから“歯痛くて”。そこからは参加型が続く。“ヤキトリズム”では「せせり!せせり!」、“New Gingeration”では「岩下の新生姜!」のフレーズを全員でシャウト。“島国DNA”ではフロアに投げ込んだマグロの風船がオーディエンスの上を舞う。そしてラストはこの日最大の盛り上がりを記録した“日本の米は世界一”。大歓声の中ステージを降り、そしてアンコールは“フローネル”。「お風呂最高!」「二度寝最高!」と全員で叫んでライヴは幕を閉じた。

とても印象的だったのが、最後方のエリアに、お父さんやお母さんと一緒にライヴを楽しんでいた幼稚園から小学生くらいの男の子や女の子がたくさんいたこと。最初は抱っこされていた子たちも、途中からピョンピョン飛び跳ねて、笑顔で一緒に歌っていた。正直、このフェスでこんな風景、初めて見た。

まさに全年齢対象型のエンターテイナー。ラウドロックバンドの、そしてロックフェスの新しい可能性を見せてくれたという気すらする。

(柴 那典)

セットリスト

1. デリシャスティック
2. 私を二郎に連れてって
3. まごパワー
4. 歯痛くて
5. ヤキトリズム
6. きのこたけのこ戦争
7. New Gingeration
8. 島国DNA
9. 日本の米は世界一
10. フローネル

撮影=釘野孝宏