VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 15:45-16:25 VIVA! STAGE
9mm Parabellum Bullet

初登場9mmがビバラの真ん中で叫んだのは、
ロック愛、そして大いなるthe telephones愛だった

ビバラでAtari Teenage Riotの楽曲が鳴るのは初めてのこと。そう、9mmがついにビバラ初降臨だ。ステージに現れるや否や“反逆のマーチ”のトリッキーなギターフレーズが鼓膜を鋭く刺激する。続いて、“Discommunication”へ。足元を這い回るようなベースラインが不気味に観客を扇動する。中村和彦(B)がステージ横のスクリーン用のカメラに向かって叫んだ「かかってこい!」。

のっけからとにかくすさまじい音圧の演奏が展開された。そして、“Supernova”のイントロが鳴ると、フロアから大歓声が上がり、それと同時に無数の拳が掲げられた。ギターソロでは、このあとSTAR STAGEに登場するthe telephonesの<Monkey Discooooooo>のワンフレーズを盛り込んだり、プレイが展開していくたびに歓声があがる、まるで海外で見るライヴのような盛り上がりだ。皆、待っていたのだ。ビバラで見る9mmを。the telephonesの復活を。唯一無二のサウンドを浴びる日を。

MCはビバラ初登場の自己紹介から。しかし、自分たちのことを差し置いて、ここでもthe telephones愛が炸裂。菅原卓郎(Vo&G)は言った。「ただ出るだけじゃなくて、この場所にいると電波が入りやすいってことだからラッキーだったなって。(the telephonesを)かなり祝福したいなと思ってやってきました!」と素直な気持ちを表現。さらに、10年前に凛として時雨とthe telephonesと9mmで対バンしたときの思い出も語った。「様子がおかしいバンドばかりだったな」と。

初登場でも遠慮せずにやっていくと吐き捨て、“Black Market Blues”、“ハートに火をつけて”と代表曲を爆音で畳み掛けた。こうなるともう一気に9mmのペースだ。踊る者、暴れる者、拳を突き上げる者、タオルを振り回す者、皆が思うままの表現で感情を解放しているのがよくわかる。そして、人が次々とVIVA!に吸い寄せられ、VIVA!ではこの日一番の盛り上がりへと発展していった。

ギアが数段上がった後半戦は見どころだらけ。どの曲がということでなく、楽曲の連なりが場内の高揚感を高めていくのである。「これが最後の曲です」と言われても、時間を間違えてるとしか思えない、そんな感覚。ラストに選ばれたのは“新しい光”。今日イチのBPMで疾走し、観客もサビのシンガロングで応える。興奮した中村は演奏が続くなかでベースを床に置き、そこに拳をガンガン打ち付ける。エンディングで菅原はステージの上手下手、そして中央に丁寧なお辞儀をし、集まった観客とともに万歳三唱をし、満足気にステージを去った。

セットリスト

1. 反逆のマーチ
2. Discommunication
3. ガラスの街のアリス
4. Supernova
5. Black Market Blues
6. ハートに火をつけて
7. ロング・グッドバイ
8. 新しい光

撮影=釘野孝宏 テキスト=阿刀“DA”大志