- 5.5 SAT 14:35-15:05 GARDEN STAGE
- a flood of circle(acoustic set)
血と本能に従いアコギセットで大暴れ！
これがロックンロールバンド・a flood of circleだ
パンクやハードコアバンドがズラっと並ぶ1日の中で、アコースティック・セットのアーティストが3組並ぶGARDEN STAGE。その一番手にa flood of circleが登場だ。熱気とロマンに満ちたロックンロールで、全国のライヴハウスを転がり続けるフラッドによるアコースティック・ライヴはどんなものになるのか――そんな彼らの特殊セットへの期待に集まったステージは、“VIVA LA ROCK BLUES”と題したカントリー風のアコースティック・ナンバーで即興の歌でスタート。そして「アコースティックでもロックぶちかますぜ」（佐々木亮介／Vo＆G）という宣誓の元“New Tribe”へ突入した彼らのステージは、あの最高のロックンロールバンド・a flood of circleがブッチ切る熱気に満ちたライヴとなった。
「VIVA LA ROCKには『ロック』がいっぱいあるけど、『ロックンロール』が足りないんじゃないかと思ってきました」と自信を覗かせ挑発すると、「俺達のライヴはいつもスペシャルだけど、今日もスペシャルです。だって特別なことしにきたんでしょ？」と語ってスピッツの大名曲“空も飛べるはず”をカヴァー。スピッツ愛を公言し続けてきた佐々木亮介にとって必然のセレクトだろう。そして「俺はスピッツが世界で一番好きで、スピッツになろうとしたらこうなったの。だからみんなも誰かの真似をする必要なんかない。お前はお前」（佐々木）と語り“Honey Moon Song”へ。まろやかな曲調のナンバーを連続して歌いながらも、話す言葉はどれも語気が強い。どんなステージだろうとやっぱり彼はいつもの佐々木亮介であり、自身の中にあるそうした熱情を吐き出せずにはいられない男なのだ。
そして「あ、これ完全にスイッチ入っちゃったな」と思ったのは、田淵智也（UNISON SQUARE GARDEN／B）との共作“ミッドナイト・クローラー”が始まってから。何故かそもそもエレキギターを持って登場していた青木テツ（G）は、遂に立ち上がりギターソロを弾き倒し“シーガル”で爆発。彼らの中でも最初期から愛されるこの曲で合唱を起こしたかと思えば、佐々木亮介は既にアコギを捨て観客の上に乗っている。ロックンローラーとしての血が騒いで止まなかったのだろう。クラウドサーフの中で咆哮する彼はまさしく本能剝き出しのロックンローラーであり、そしてこれこそがa flood of circleというバンドの正しき姿である。どんな場所でもこのバンドはこのバンドであり、「お前はお前」と言った佐々木亮介はどこにいても佐々木亮介なのだ。バンドとしての誇りをガーデンに叩きつけステージを後にした4人の後ろ姿がなんともデッカく見えた。
セットリスト
1. VIVA LA ROCK BLUES
2. New Tribe
3. 空も飛べるはず（スピッツ cover.）
4. Honey Moon Song
5. ミッドナイト・クローラー
6. シーガル
撮影＝山川哲矢 テキスト＝黒田隆太朗
