- 5.4 FRI 10:20-10:40 CAVE STAGE
- Dandelion(ティーネイジサイタマ優勝アーティスト)
夢だけでどこまでも飛べるだろ！
まだ何色にも染まっていないまっさらな心が響き渡る
埼玉県在住の10代のための音楽選手権「ティーネイジサイタマ」を勝ち上り、今年の栄えあるグランプリに輝いたDandelionがVIVA LA ROCK 2018のCAVE STAGEに登場。熊谷出身、高校生5人によるロックバンドだ。
この瞬間を誰よりも待ちわびていたのは間違いなく彼らだろう。ステージに飛び出してくるなり、緊張より快感が上回っているような笑顔で手を掲げ「Dandelion です！ VIVA LA ROCK2日目、始まり合図鳴らします」（須永海耀／Vo）と叫び“SHOW TIME”でスタート。メロコアやパンク、青春パンクから影響を受けたのであろう快速ビートに、情熱に満ちた等身大の言葉を乗せていく歌がCAVEという洞窟いっぱいに響き渡っていく。“君にいつか”、“Days”と雪崩込みながら、声の限りに叫び音を掻き鳴らす彼らの姿には若く眩しいエネルギーが満ちていた。
「僕らは『ティーネイジサイタマ』っていう大会を優勝してこのステージに立ってます。でも満足はしていません。今度はちゃんとVIVA LA ROCKのステージに立って、VIVA! STAGE立って、いつかSTAR STAGEに立ちたいです――夢を叶えることを歌った歌を聴いてください」と語り、「1、2、3、4」というカウントともに始まった“Dreamer”には一層迷いのない力がこもっていたように思う。ヴォーカルの須永は一見して小柄で、長身のギターとベースに挟まれているためなおさら顕著に見える。だが、歌っている時だけはステージ上の誰よりも大きく見えるのだ。それくらい彼は全霊で飛び跳ね、音楽を身体全部。「俺らにとって一番大切な歌です。辛いこと、悲しいことは胸に溜め込まず叫べ!!」という意志を乗せた“叫べ”の、「あなたがあなたらしく生きていればいいんだよ」という歌が、きっと彼らがバンドに懸ける想いそのものなのだろう。
「今日は本当にありがとうございました。まだまだ未熟だけど大きな夢があります」と叫んで最後の曲“My Friend”へ。術を知らなくとも志で音を鳴らし、高校生ながらもう自分達のステージ上でのスタイルを持っている彼らはこれから大きな伸びしろがあるだろう。今を楽しむことに集中した堂々たるプレイにも好感を持った。短い時間の中で、自分達の全部をぶつけようと5人の声と音楽に熱くさせられるライヴであった。
セットリスト
1. SHOW TIME
2. 君にいつか
3. Days
4. Dreamer
5. 叫べ!!
6. My Friend
撮影＝小見山 峻 テキスト＝黒田隆太朗
