VIVA LA ROCK 2018

5.3 THU 14:15-14:55 VIVA! STAGE
FLOWER FLOWER

4年の月日を経て、VIVA LA ROCKに登場!
FLOWER FLOWERが見せた「光」

2014年、VIVA LA ROCKの第一回目に出演するはずだったFLOWER FLOWER。しかし、体調不良により出演をキャンセル。満を持して、4年の月日を経て今回、初出場と相成った。本編が始まる前のサウンド・チェックでFLOWER FLOWERがyui(Vo&G)名義の楽曲“CHE.R.RY”を演奏し始めると、曇り空が割れ、天井から陽光がVIVA! STAGEに降り注ぎ始めた。4年ぶりに、VIVA LA ROCKのステージに四人が戻って来たことを天も祝福しているのだろうか。

2013年に活動をスタートしながらも、FLOWER FLOWERのライヴ活動は断続的だった。本格的にコンスタントなライヴ活動をスタートしたのは、昨年、2017年から。今年3〜4月にかけて『FLOWER FLOWER インコのhave a nice dayツアー』と題した全国ツアーを廻っており、5月9日のZepp Tokyoでフィナーレを迎える予定だ。つまり、バンドとして脂の乗り切った状態。最高のコンディションでVIVA LA ROCKのステージに現れたFLOWER FLOWERの演奏は本当に素晴らしかった。

もともと、yuiがリスペクトするミュージシャンを集めたという成り立ちのFLOWER FLOWERだが、その域を超え、もう今となってはyuiとサポートという立ち位置ではなく、完全にこの4人でしか鳴らせない音を奏でている。特に、冒頭の“パワフル”、“神様”、“素晴らしい世界”の3曲はバンド・アンサンブルの力を感じた。サポート・ギターに頼らず、自らジャズマスターをかき鳴らし、激しいギターソロを披露するyui。mura☆jun(Key)、mafumafu(B)、sacchan(Dr)ら、手練れのミュージシャンたちが演奏するプログレッシヴな早いパッセージの応酬にも難なくついて行く。それでいて、母になった喜びを歌った“産声”ではギターからハンドマイクに持ち替え、心を否応なく震わせる見事な歌声を全身全霊かけて披露。“命”、“踊り”ではファンキーな打ち込みのサウンドの上で、自由で伸びやかに歌い上げた。慈愛と解放感に満ちたその歌声とラディカルなサウンド・プロダクションと相まって、アイスランドの歌姫・ビョークを彷彿とさせる。

「VIVA LA ROCKには特別な思いがあります。4年前、私の事情でキャンセルになってしまったにもかかわらず、またこうして呼んでくださるのは感謝しかないです。ありがとうございます」——そう、MCで述べたyui。4年前は確かにフラジャイルな印象もあった彼女(それも魅力の一つだったわけだが)だが、今、FLOWER FLOWERという最高の同志を得て、自由に生き生きと自分の表現したい音楽を奏でる彼女の笑顔は輝くように眩しく、ステージの上でもキラキラと光っていた。“ひかり”で、万感の思いを込めてギターをかき鳴らしていたyui。4年越しのVIVA LA ROCK、FLOWER FLOWERは、どこまでもポジティヴィティに満ちたステージを見せてくれた。

セットリスト

1. パワフル
2. 神様
3. 素晴らしい世界
4. 産声
5. 命
6. 踊り
7. ひかり

撮影=釘野孝宏 テキスト=小田部仁