VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 15:35-16:25 GARDEN STAGE
G-FREAK FACTORY(acoustic set)

群馬の悠然なる魂が快晴のガーデンに響き渡る
GARDEN STAGEをひとつにする名演に心底惚れた!

茂木洋晃(Vo)の「おはよー!」という言葉からG-FREAK FACTORYのアコースティック・ライヴがスタート。爽やかな笑顔とラフな格好でも年輪から来る堂々たるオーラは身体中に漂っており、「雨降ってねえな今日は、その代わり風連れてきたよ」と語れば一陣の風が吹く。そんな相変わらずの神通力を持った彼の音楽を聴きに、ガーデンは早くも人で溢れ返っている。「隣県から来ました、ヴィジュアル系バンドです。貫く誠、G-FREAK FACTORY始めます」(茂木)というお約束の口上から、暖かく生命力漲る演奏が始まった。

“風”、“Unscramble”とレゲエ調の楽曲がアコギで鳴らされるのが心地よく、芝生いっぱいに人の波が生まれていく。静かに揺れるオーディエンスは彼らの音楽と一体化したように同じリズムで呼吸しているのが見ているだけで気持ちいい。「いつもは俺達もフルセットなんです。でも今年はアコースティックでオファーもらったから……まあヴィジュアルがよかったからだと思うんだけど」、「今日はlocofrankがいないから晴れたね」、「よく晴れているからみんなの姿がよく見えるんだよ、ホルモンに行くやつらの顔がよく見えるんだよ――行かさねーぞお前ら!!」と笑いと歓声を次々に呼び込むMCも流石の一言。オーディエンスとバイブスを共有する術はやはり超一流だ。

一際懐の深いグルーヴを持った“Too oLD To KNoW”では、「クソVIVA LA GARDEN、1個にになれ――!!」という言葉に応えるように両手が上がり、演奏が止んだ中、<汗は流せ ナミダを流せ でも二度と無駄な血は流すな>という歌でガーデン中がハモった瞬間は鳥肌が立つほど感動的だ。“悲しい色やね”をカヴァーした後、メンバーもびっくりな茂木の提案で欧陽菲菲の“ラヴ・イズ・オーヴァー”を急遽一小節だけ披露。<きりがないからね>の歌詞を合図に演奏を中断するなど、笑顔と余裕を見せるライヴ展開から繋いだ“日はまだ高く”をガーデン全員で合唱。そして遂に人の神輿に乗って“ダディ・ダーリン”を熱唱し、その場に集まった全員と対話をするようにオーディエンスを眺め、「今何を想い歌っているのか」、「何故歌い闘い続けながら生を全うするのか」を語っていく茂木の姿は誇らしいほどに悠然としている。

そうして絶えず共に歌うオーディエンスと、マイクを手放しても語り続ける茂木――彼らのライヴはこうしてお互いの想いを伝え合うように進んでいく。そして茂木の至言に鼓舞され、明日を生きるエネルギーをもらうようなそんなライヴを、20年以上も続けているのがG-FREAK FACTORYなのだ。再びそよ風を呼ぶ込むように“EVEN”を歌い終幕を迎えたステージに、「今日来た大人達! 全力で遊ぶ姿をちゃんと子供達に見せて帰れ。見せてやれ、繋いでいけ」というメッセージを残し群馬の雄は去っていった。

セットリスト

1. 風
2. Unscramble
3. Too oLD To KNoW
4. 悲しい色やね
5. 日はまだ高く
6. ダディ・ダーリン
7. EVEN

撮影=山川哲矢 テキスト=黒田隆太朗