VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 14:50~15:25 GARDEN STAGE
GOOD ON THE REEL

GARDEN STAGEに響かせた太陽のようなメロディ
GOOD ON THE REELが指し示した「未来」

VIVA LA ROCK 2018・二日目、GARDEN STAGEの一番手に現れたのはGOOD ON THE REEL。人工芝が敷き詰められた会場の後ろの後ろまでしっかりと埋め尽くした観客達は、万雷の拍手で彼らを迎える。この日、彼らが一曲目に選んだのは“私へ”。5月の澄み渡った青空に千野隆尋(Vo)の朗々とした堂々たる歌声が響き渡る。うららかな日差しが刺す、VIVA LA ROCK唯一の野外会場にGOOD ON THE REEL、とてもよく似合っている。

「ありがとう。VIVA LA ROCK、まだまだ楽しんでいきましょう!」。続いて、プレイされたのはポジティヴィティに溢れたナンバー“シャワー”。ハンドクラップが自然と会場から巻き起こり、続々と手が上がっていく。決して、派手な楽曲ではないのだが、多幸感に溢れたサウンドがGARDEN STAGEを祝祭館で包む。風に乗って運ばれてくるシャボン玉が太陽の光を受けてキラキラと光った。なんだ、ここは、音楽の天国ですか?

「VIVA LA ROCK初出演でございます! 雨降んなくてよかったのと思います。若干曇ってますが、日差しがだいぶ穏やかになりましたね。体調には気をつけて。今、この時間は僕らの時間なんで一緒に楽しい時間を作れたらいいなと思います。どうか最後までよろしくお願いします」

すでに最高なヴァイブスを醸し出しているGOOD ON THE REEL。3曲目は千野のアカペラから始まったミドルテンポのロック・バラード“つぼみ”。胸を締め付けるような切ないコード感を持った、過ぎ去ってしまった恋のその先を歌う楽曲に聴き入るオーディエンス。伊丸岡亮太(G)と岡崎公平(G)との清涼感のあるギターサウンド、タイトな宇佐美友啓(B)と高橋誠(Dr)のリズム隊のアンサンブルがセンチメンタルな想いを加速させる。

グルーヴィーな宇佐美のベースが光った“かくれんぼ”では、再度、GOOD ON THE REELの持つ、心が洗われるようなポジティヴィティが爆発する。観客に腕を差し出し、天に手のひらを掲げ、ステージの上を跳ね回るヴォーカル・千野の熱のこもった歌唱がフロアの温度をどんどん上げていく。

「次で最後の曲です。こんなにたくさん集まってくれて、本当にありがとうね。今、あなたが歩いている道が、人生が、しょうがなく歩いているものでも、自分で選んだ道には変わりないから……一緒に胸張っていこうぜ!」という千野の強いメッセージに導かれて始まったのは“Marble”。<諦めた夢を無駄にはするなよ お前が広げた両手で離すな/不器用なお前が不器用に愛した 世界に一つの幸せをいけよ>——歌うことで己を鼓舞し、また聴く者はその姿に鼓舞する、まさにそんなロックンロール・アンセムを歌い上げたGOOD ON THE REELの頭上に陽光がさし、強い風がその背中を押すように吹き付ける。GARDEN STAGEを味方につけ、輝くようなライヴを見せつけたGOOD ON THE REEL。きっと、彼らの旅路はまだ始まったばかり。この先の彼らの姿みてみたいと思わせる素晴らしいステージだった。

セットリスト

1. 私へ
2. シャワー
3. つぼみ
4. かくれんぼ
5. Marble

撮影=山川哲矢 テキスト=小田部仁