VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 15:55~16:30 GARDEN STAGE
コレサワ

初フェス出演! 変わる空模様のもと届いた
キュートな「コレサワワールド」への招待状

爽やかな風が吹き抜けるVIVA LA GARDENに登場したのは、これがビバラ初登場となるシンガーソングライターのコレサワ。昨年にアルバム『コレカラー』でメジャーデビューした彼女は、フェスへの出演もこれが初めて。メディアには顔を見せず「れ子ちゃん」という名のクマのキャラクターをビジュアルに活動をしてきたコレサワだが、この日のステージで見せてくれたのは、初々しくもキュートな素顔と、ナチュラルな声の響きだった。

アコースティック・ギターの弾き語りのスタイルで、まず1曲目には“あたしを彼女にしたいなら”を披露。ポップだけれど少し毒のある曲の世界が、開放的な場の空気とお客さんの手拍子でピースフルに広がる。続く“君のバンド”では「知らない人もすぐに覚えて歌ってください」と呼びかけ「♪あたしの好きなバンドはなぜかちっともちっとも売れない」というフレーズをコールアンドレスポンスのスタイルで歌う。

登場前には青空が広がっていたのだが、途中から強くなってきた風に髪が揺れ「風ヤバい!」と笑みを見せていた。さらに後半は天候が変わり、風に加えてパラパラと通り雨が降ってきていた。そんな若干シビアな状況の中でも彼女が真価を見せたのは「大好きな自分の町を見せたいという歌をやります」と歌った“阪急電車と2DK”、そして切ないバラードナンバーの“たばこ”の2曲だった。特に繊細なギターのアルペジオに乗せて、ささやくように失恋の痛みを歌い上げる“たばこ”には、GARDEN STAGEに集まったオーディエンスもじっくりと聴き入っていた。

「雨の中ありがとうございました! 次は雨でも大丈夫な場所に出たいです!」と告げて、最後にはアルバム『コレカラー』のリードシングルになったアップテンポな“SSW”で盛り上げてライヴを締めくくったコレサワ。普段のライヴでは映像を駆使したストーリー性の高いステージを見せたり、コントロールベアとのコラボでCD付きのぬいぐるみをリリースしたりと、ヴィジュアル面でもいろんな企画性の高いコンセプチュアルな活動を繰り広げているだけに、この日のビバラで見せたのは多様な魅力のうちのほんの一面なはず。それでも初めて彼女を観た人も確実に惹き込む「コレサワワールドへの招待状」を届けてくれた。

セットリスト

1. あたしを彼女にしたいなら
2. 君のバンド
3. 阪急電車と2DK
4. たばこ
5. SSW

撮影=山川哲矢 テキスト=柴 那典