VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 11:10-11:45 CAVE STAGE
ReVision of Sence

人生を賭けた35分一本勝負
クズと言われても、変わり続けてたどり着いたステージ

大阪発の5人組、ReVision of SenceがVIVA LA ROCKに初登場。「洗脳会」と銘打った無料ライヴを全国で開催したり、自らを「クズ人間」と自称し、ミニアルバムやワンマンツアーのチケットを920円で販売したり、5月2日に発売されたばかりの新作『罪』も事前にネットで無料公開するなど、次々とアイデアを実践するDIYな活動姿勢に注目が集まる彼ら。果たして、ライヴバンドとしての実力はいかに?

河井教馬が「たった一回を掴みにきました。かかってこい!」と呼びかけて、一曲目はいきなり彼らの代名詞的な一曲“ダメ、ゼッタイ、現実逃避”。バキバキのシンセを効かせたパンキッシュな曲調に乗せて、河井はフロア全体に声をかけながら、グイグイとオーディエンスを引っ張って行く。「俺たちにはこんなチャンス2度とないんです。ここで100%やらなきゃ来年はない。本当に人生賭けてやりますんでよろしくお願いします!」と語り、35分一本勝負が幕を開けた。 

続いて「今からそっち行くんで覚悟してください。ライヴハウスは、フェスは、前とか後ろとか関係ありません!」と言って、“ヨノナカカネ”で河井は肩車をされてフロアへ。「左、右、クロス」と振り付けを行いながら、フロアの最後方まで行ってオーディエンスとハイタッチを繰り返し、サビでは前方でサークルモッシュが起こる。ラストはPA席から「一人だって楽しくないやつ作らない!」と声を荒げた。

「僕たちのライヴは普通のライヴではございません。他のメジャーアーティストを観に行かずに、ここに集まったお客さんはきっと性格が悪いと思います。日常では言えないことをもっと言いたい!」と「ブスは美人に勝てません!」のコール&レスポンスを行って、“ヨノナカカオ”へ。歌詞はひどいけど曲調は激キャッチーで、サビでは一斉にポゴダンスが広がった。

「みんなが楽しむことなら何でもするよ!『いいね』で価値判断してる場合じゃない。現実を変えるために糞みたいなことでもやるんです。行動できるかできないか。そんな一曲をみなさんにぶちかましたいと思います!」と始まった新曲“いいねパラサイト”では「いいね、いいね」に合わせてオーディエンスが♡マークを作り、間奏部分では大合唱も起こる。

「曲気持ち悪い、ヴォーカルのMCも気持ち悪い、衣装ださい、中二病……分かってんスよ、そんなこと。僕がやりたかったのはONE OK ROCKだったんです。で、気づいたら<いいね、いいね>って曲を歌ってました。でも、クズと言われようが、気持ち悪いと言われようが、自分にしかできないことを探して変わり続けて、クズでもビバラのステージに立てることを証明しにきたんです!」と熱く語ると、“I’m a クズ人間”ではラウドな曲調にイントロから一斉にヘドバンが。間奏で再び肩車でフロアに下りて、テーマソング的な一曲を堂々と歌い上げた。

河井はそのままフロアで肩車されたまま語る。「わかってるよ、スタッフさんに迷惑かけると来年出れないかもしれない。自分なりに最大限気を使ってます。怪我はしてほしくない。オレらは凡人です。でも、今日何しにきたかって、『ビバラロックに出れて嬉しい』じゃない。自分の人生変えにきたんです。やるしかないんですよ、俺たちは。かっこつけてる場合じゃない。今日ビバラでいいライヴできなかったら先はない。観てくれてるあなたを楽しませるだけ。フェスでは感じれないものをライヴハウスでは見せれると思う。俺たちをちょっとでもいいと思ったら、俺たちを育ててください。今日はホントにありがとうございました。一度や二度負けたって関係ない。負け続けて今日がある!」と捲し立てると、ラストは“負け続きの日々”。「みなさんの人生を生き抜いてください。いつでもステージで待ってます」。彼らは確かに、ここVIVA LA ROCKのCAVE STAGEに自分たちの生き様を刻み付けた。

セットリスト

1. ダメ、ゼッタイ、現実逃避
2. ヨノナカカネ
3. ヨノナカカオ
4. いいねパラサイト
5. I’m a クズ人間
6. 負け続きの日々

撮影=小見山 峻 テキスト=金子厚武