VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 10:30-11:05 VIVA! STAGE
四星球

誰よりもやりたい放題でハートを掴み
ロックの神様を笑わせる「本気の茶番」の初見参

「ビバラロックにコミックバンドがやってきました!」 北島康雄(Vo)がそう高らかに名乗りあげ、四星球がVIVA LA ROCK初登場。5月5日は「こどもの日」ということで、「♪屋根より高い鯉のぼり〜」と童謡“こいのぼり”に乗って北島は段ボール製の甲冑姿で、そしてモリス(Dr)は鯉のぼり型の神輿にかつがれてフロア上手の階段上から入場。「はよ来ないと曲が終わって俺のiPodであいうえお順の次の曲が流れてしまう〜」と煽り、途切れると続けて“恋のマイアヒ”が流れるというツカミで、朝イチから集まったお客さんを笑わせる。

これまで数々のフェスに出演、初見のお客さんも確実に夢中にさせてきた四星球。黒の全身タイツ姿の北島、ブリーフに法被姿のU太、まさやん(G)、金太郎姿のモリスの4人が繰り広げるのは、全員を否が応でも巻き込む参加型のパフォーマンスだ。“運動会やりたい”ではオーディエンスを紅組と白組にわけて「ラジオ体操対決」「ウォールオブデスの時の“俺が仕切る”対決」「YMCA対決」を繰り広げる。“クラーク博士と僕”では北島がフロアに飛び込み、まさやんが再びフロア上手の階段を転がり落ちたりと身体を張ったパフォーマンス。それでいて歌われるのは「知らぬ間に始まった人生が 知らぬ間に終わっていく」という切なくエモーショナルな言葉だったりする。「日本一泣けるコミックバンド」という肩書きに嘘はない。

続いては、彼らのステージに登場する数々の小道具を段ボールで自作するまさやんが主役の一曲“鋼鉄の段ボーラーまさゆき”、そして“HEY!HEY!HEY!に出たかった”。この曲が最初にインディーズでリリースされたのは2013年のことなのだが、昨年にメジャーデビューを果たした彼らは今年4月に念願かなって後継番組の『HEY!HEY!NEO!』でダウンタウンと共演を果たした。北島は曲名を「HEY!HEY!HEY!はデカかった」と改めると告げ、「2年後はSTAR STAGEをパンパンにしますんで!」と野心を見せ喝采を浴びていた。

ラストの“Mr.Cosmo”で北島は顔が食い散らかされたアンパンマンのキャラクターと共にオーディエンスの中にわけいり、最後には「今日のトリ10-FEETなんで、10-FEETのカバー行くよ!」とわずか数秒の“時間がないときのRIVER”を披露してステージを降りた。

「今日一日終わった後には忘れてもらってかまわないんで。でも、ゴールデンウィークが明けて、そこから始まるおもんない毎日の中で思い出し笑いしてください」と北島は言っていた。「本気の茶番」というと矛盾した言葉のように思えるけれど、それがたくさんの人たちを笑わせ、胸を打っているという事実が、四星球というバンドのやっていることを象徴しているように思う。

セットリスト

1. 運動会やりたい
2. クラーク博士と僕
3. 鋼鉄のダンボーラーまさゆき
4. HEY!HEY!HEY!に出たかった
5. Mr.Cosmo
6. 時間がないときのRIVER

撮影=釘野孝宏 テキスト=柴 那典