VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 17:55-18:45 STAR STAGE
the telephones

帰ってきた「We are DISCO!!!」
多幸感に満ちあふれた至極のパーティー空間!!!

さあ、いよいよ彼らが帰ってくる。ライヴを行うのは2015年にここさいたまスーパーアリーナで開催された『Last Party』以来2年半ぶり、STAR STAGEに立つのは3年ぶり、無期限活動休止を宣言していたthe telephonesがひさびさのライヴを行う場として、地元・埼玉のVIVA LA ROCKを選んだのだ。すでに『Last Party』にも出演していた盟友・凛として時雨と9mm Parabellum Bulletがライヴを終え、同時間帯には同じく盟友のDJチームGetting BetterがGARDEN STAGEでパーティーを開催。4人を迎える準備は万端だ。

石毛輝によるジングル(今年は「5周年!」というシャウトも)が流れ、お馴染みのSEが始まると、過去の彼らの名場面を集めた映像が流れ出す。最後に「are you DISCO?」の文字が映し出されると、ステージに光り輝くミラーボールが登場。会場中がハンドクラップに包まれる中、あのアフロを被った4人組が遂に姿を現した!

「一瞬だけど、ただいまー! 埼玉県北浦和からやってきました、the telephonesです!みんな今日はマジで最高の日にしようね」と石毛が語りかけると、「猿のように踊ろうぜ!」と叫んで、もちろん“Monkey Discooooooo”! STAR STAGEは一瞬でダンスフロアに!

石毛が床に寝そべりブリッジをかましながらギターソロを決め、ノブ(岡本伸明)が狂ったように暴れ回り、長島涼平と松本誠治が躍動感のあるプレイでグルーヴを支える。ああ、これは紛れもなく、あのthe telephonesだ。言うまでもなく、各メンバーはそれぞれのバンドで音楽と真摯に向き合い続けてきたし、定期的に連絡を取り合ってきたというだけあって、彼らの腕は決して訛ってはいないし、結束力も失われてはいない。シンセリフから脱臼リズムへの展開が印象的な“HABANERO”に続き、“Baby,Baby.Baby”ではカウベルを持ってステージから下りたノブが、自転車でフロアを駆け抜けるというサプライズも。ハハハ、こりゃあ楽しい。

「2年半ぶりです、帰ってきました」という石毛の挨拶に、会場中から「おかえり!」という声が飛び交うと、「ホントにみんなありがとう」と改めて感謝を伝え、「鹿野さんにやれって言われたわけじゃなく、自分たちの意志でやってます」ときっぱりと言い切る。続いて、メンバーに話を振ると、長島は「たのし……そう!」とやや緊張しながら話し、ノブは「今日の光景は10年くらい前から予想してた」と言って周りを困らせ、松本はこの日のためのモヒカンを披露し、石毛が「ホントバラバラな4人だなあ」と笑う。うん、この感じも変わらないなあ。

スケールの大きなイントロから始まったのは、この会場で鳴らされるべき一曲“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!”。さらに、松本がビートを刻み始め、長島がリフで引っ張る“electric girl”へ。BPM130前後のこれくらいのテンポの曲だと、むしろグルーヴが成長していることが伝わってくる。ノブによるアジテートから始まった80年代感たっぷりの“Don’t Stop The Move,Keep On Dancing!!!”にしても、当時より今聴くとバッチリな曲調のような。

さて、早くもライヴは後半戦。ビッグなコーラスと共にステージ前方に火花も上がった“I Hate DISCOOOOOOO!!!”では、VIVA! STAGEにいた巨大な人形が2体、バルーンに吊るされて宙を舞い、“Urban Disco”ではカラフルな映像が流れ、パーティーをさらに盛り上げる。「ひさしぶりに、でっかい声でディスコを叫ぼうぜ!」と言って、石毛が「We are DISCO!!!」のコール&レスポンスを行うと、「知ってんだ俺たち、みんなも年をとってくこと。でも、誰だってモヤモヤがあるじゃん。それをディスコって言葉で吹き飛ば……」と、途中でシリアスな台詞を噛んでしまい、場内からは笑顔のブーイング。「こういうところも変わんねえんだよ」と苦笑いを浮かべながら、ラストはやっぱり“Love&DISCO”!「THE TELEPHONES / VIVA LA ROCK 2018」と記された飛行船が宙を舞う中、多幸感に満ち溢れた50分はあっという間に過ぎて行った。

最後に「今年もう一本だけライヴやります。8月22日、『UKFC on the Road』」というサプライズプレゼント。もちろん、途中で石毛が口にしていたように、今回のライヴはあくまで「一瞬」であり、今後彼らが本格的に活動を再開するかどうかはまだわからない。その可能性をこの日のライヴからここで予想するのは、さすがに蛇足というものだろう。やはりthe telephonesは素晴らしいバンドだった。それを改めて感じることができただけで、十分に幸せだ。あの場にいたすべてのパーティーピープルも、きっと同じ気持ちだったはず。

セットリスト

1. Monkey Discooooooo
2. HABANERO
3. Baby,Baby,Baby
4. SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
5. electric girl
6. Don’t Stop The Move,Keep on Dancing!!!
7. I Hate DISCOOOOOOO!!!
8. Urban Disco
9. Love&DISCO

撮影=古溪一道 テキスト=金子厚武