VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 16:55-17:45 GARDEN STAGE
the band apart(naked)

これぞ音楽の醍醐味!20周年イヤーを過ごすバンアパが
心まで解放する音楽の遊び場をガーデンに築く

音の感触を確かめながら繰り広げられる自由気ままなセッションに惹きつけられるように、開始前からガーデンにはいっぱいの人が集まっている。開始のジングルが鳴った後、原(昌和/B&Cho)がボソッと呟いた「変なジングルだったね」から本編スタートだ。

メロコアやフュージョン、ロックやヴォサノヴァをミックスした音楽性で唯一無二のポジションを築き上げたバンドであり、「the band apart(naked)」名義でアコースティック編成での音楽性も開拓してきた彼らのプレイはもはや熟練の極み。“Eric.W (Acoustic)”、“the same old song 2”、“Moonlight Stepper 2”と続いていった彼らのライヴは、変幻自在のリズムとメロを颯爽と聴かせながら、その場にいる者の心を解き放っていくように自由な空間を築いて進んでいく。そしてもはや「芸風」とも言える普段通りの悪態をつきながら、「今日は外に駆り出されましてね。これで雨でも降ってようものなら――」と原がMCを始めると、すかさず子供達のはしゃぎ回る声が被り彼の声を遮断。「うるせーな!!」と応戦するやり取りが、なんとも親近感の湧く彼らのライヴらしい一幕だ。そんな遊び場としての景色を作っているのが他ならぬこの音楽の魅力なのである。そして何より、そうした口の悪さとは裏腹にその歌声は美声そのもの。原がマイクを持った“DOWN TOWN”で極上のハーモニーが生まれているのがなんともニクい。そして再び荒井にヴォーカルを戻しての“from resonance 2”、“クレメンタイン 2”では次第に歌の温度が上がっていくようで、軽快でパッショナブルなアンサンブルが最高の空間を演出していく。

「今日は20年ずっと見てくれている人も、初めて見てくれている人もいると思うんだけど、改めて20年やってきてよかったなと思っています。ずっと見てくれている人とは20年やってきたからこそ一緒に歩めてこれたんだと思うし、20年やってきたおかげで、今日初めて見てくれる人にも会えました。そういう出会いに感謝を込めて、僕らは20周年を過ごしています」(荒井)という最後のMCを挟んでラストスパートへ。“Paper Planes”、“Can’t remember 2”、“light in the city 2”で自然と会場中の手拍子を呼んで、会場中を笑顔にした“Stay Up Late 2”で終演――と思ったら、ステージを去ろうとするメンバー達へフェスのオーガナイザー鹿野淳から「20周年」を祝うサプライズケーキが渡されアンコールへ。最後までピースフルな空間が続いた彼らのライヴは、まさしく音楽が描き得る最高の景色そのものだろう。音楽の神様から愛され、20年間リスナーから愛され続けた彼らの音楽に惚れ直す至福のステージが、イントロから歓声が上がる“夜の向こうへ (Acoustic)”で幕を閉じた。

セットリスト

1. Eric.W (Acoustic)
2. the same old song 2
3. Moonlight Stepper 2
4. DOWN TOWN
5. from resonance 2
6. クレメンタイン 2
7. Paper Planes
8. Can’t remember 2
9. light in the city 2
10. Stay Up Late 2
EN. 夜の向こうへ (Acoustic)

撮影=山川哲矢 テキスト=黒田隆太朗