VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 11:45-12:20 VIVA! STAGE
THE BACK HORN

結成20周年目の初登場
VIVA STAGEを完全掌握!

今年、結成20周年を迎えたTHE BACK HORN。昨年はVIVA LA ROCKに続いて行われた『スガフェス』に出演し、さいたまスーパーアリーナを熱狂に包み込んでいたが、2018年は満を辞してアニバーサリー・イヤーにVIVA LA ROCKのステージに現れた。

荘厳なSEが止み、オーディエンスから万雷のハンド・クラップで迎えられるTHE BACK HORN。この日の1曲目に彼らが選んだのは“声”。性急なバンド・サウンドが一気にフロアの熱を高めていく。手加減を知らないTHE BACK HORN、フロア前方では2曲目の“刃”からすでにダイバーが続出。山田将司(Vo)がフロアにマイクを向けると、大合唱が巻き起こった。

「THE BACK HORN、VIVA LA ROCK初出演でございます! 昨年、僕らは『スガフェス』に出演したんですけど、その打ち上げの席でしかっぺ(鹿野淳)と熱い酒を酌み交わしまして。『来年のVIVA LAに出せ』と俺の携帯のメモに入れろと言われまして(笑)。それから1年経って、このVIVA LA ROCKのステージに出られて嬉しいです。今日はVIVA LA ROCKと今年、20周年を迎えた僕らの熱い思いを込めて演奏したいと思います」

そんな熱い松田晋二(Dr)のMCを経て、ここからはTHE BACK HORNの静かに青く燃える炎のようなミドル・テンポのナンバーを堪能する時間だ。“冬のミルク”では菅波栄純(G)のギターが咆哮を上げ、山田のメランコリックな憂いを湛えた歌声は“未来”でエモーショナルに響き渡る。

クライマックスにかけて、また、スピードを上げて行くTHE BACK HORN。続いては今年、3月7日にリリースされたメジャーに活動の場を移してから初めてのミニ・アルバムとなる『情景泥棒』から“Running Away”を披露。胸をかきむしられるようなシャウトと、岡峰光舟(B)のベースが心地よいダンサブルなビートがVIVA! STAGEを爆発させる。破壊と混沌の中に美しい光が差し込んでくる、そんなTHE BACK HORNらしさが存分に発揮された楽曲だ。

VIVA LA ROCKを完全に掌握した四人。しかし、彼らは最後まで追撃の手を緩めない。“コバルトブルー”、“シンフォニア”と、立て続けにナパーム弾のように強力なナンバーをフロアに叩きつける。ステージから放たれる塊のような凄まじいバンド・サウンドが、オーディエンスのこれまたものすごい熱狂と呼応しあい、まさにロックフェスでしか見られないデタラメで、美しくて、それでいて感動的な風景を作り出していった。20年選手だからこそ、いや、THE BACK HORNだからこそ成せる、音楽の奇跡を見せつけられた。

演奏終了後、ステージ上でVIVA LA ROCKから結成20周年を祝うケーキがプレゼントされた。「これからも末長く、よろしくお願いします!」と満面の笑顔を浮かべ去っていった、THE BACK HORN。20周年を迎え、さらに力強くオーディエンスを熱狂と興奮の坩堝へと巻き込んでいく、彼らの歩みが止まることはきっとこの先もないだろう。

セットリスト

1. 声
2. 刃
3. 冬のミルク
4. 未来
5. Running Away
6. コバルトブルー
7. シンフォニア

撮影=釘野孝宏 テキスト=小田部仁