VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 17:55-18:45 STAR STAGE
エレファントカシマシ

これがロックバンドだ
気迫を燃やし尽くした壮絶な姿を見よ

そこにあったのは、生身で最前線に立ち続けるロックバンドの凄みだった。今年3月に、30周年のアニバーサリーイヤーのツアーファイナルを、ここさいたまスーパーアリーナで飾ったエレファントカシマシ。この日の出演陣の中でも一番のキャリアを持つベテランバンドだが、彼らが見せたのは、余裕や貫禄というよりも、気迫そのものが塊になって放たれるようなパフォーマンス。目が離せない時間だった。

白シャツにジャケット姿の宮本浩次を中心にバンドが揃い、まずは“RAINBOW”をプレイ。宮本が大きく手を左右に広げ「みんなようこそ! バカヤロー!」と叫ぶと、続くは“奴隷天国”。宮本は石森敏行(G)と向き合いギターをかきむしると、そのギターを捨て、ステージ狭しと走り回り、アリーナのそこかしこを指差し、身体を震わせて歌う。「お前だよ」と目を剥いて叫ぶ。これが25年前の曲だ。さらに“星の砂”は36年前の曲だ。宮本は石森のシャツを引きちぎり、冨永義之(Dr)を煽り、手拍子を求め、縦横無尽の動きでオーディエンスを巻き込んでいく。

宮本、石森、高緑成治(B)、冨永という不動の4人に加えてサポートにSUNNY(Key)、ヒラマミキオ(G)の2人を迎えた今回のステージ。代表曲を惜しげもなく次々と披露するセットもさることながら、痛感するのは剥き出しのテンションをそのまま歌に乗せて放つ今の宮本の佇まい、そして身体を揺さぶる硬質なサウンドを叩き出すエレファントカシマシのロックバンドとしての強靭なアンサンブルだ。

なかでもクライマックスとなったのは、ドラマ『宮本から君へ』の主題歌として書き下ろされた最新曲“Easy Go”。畳み掛けるようなAメロから、全身を振り絞るようなハイトーンの歌を聴かせるサビへ駆け抜けるパンクナンバーだ。宮本は前を真っ直ぐに見据え「俺は何度でも立ち上がるぜ」と叫ぶ。続く“桜の花、舞い上がる道を”を熱唱し、汗まみれになった宮本は“ガストロンジャー”を放つ。渦巻くマグマが噴出するようなグルーヴに乗せ、言葉にならない叫びを上げる。

「大事な歌なんで、聴いてください」とアコースティックギターを抱えて披露した“今宵の月のように”から、ラストはデビュー曲“ファイティングマン”。壮絶な演奏を終え、彼らはステージを降りた。パンクやラウドシーンの猛者が集ったこの日のSTAR STAGE。エレカシを初めて見るだろう若い世代のお客さんにもきっとその迫力は伝わっただろう。バンドの持つ圧倒的な説得力を示すステージだった。

「レコーディング中なんで、楽しみにしてください」と宮本は語っていた。未踏の領域を歩み続けてきたバンドのこの先が、また楽しみになった。

セットリスト

1. RAINBOW
2. 奴隷天国
3. 星の砂
4. 悲しみの果て
5. Easy Go
6. 桜の花、舞い上がる道を
7. ガストロンジャー
8. 今宵の月のように
9. ファイティングマン

撮影=古溪一道 テキスト=柴 那典