VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 16:25-17:15 STAR STAGE
UVERworld

「50分、たった3000秒、たった8曲」で
完全勝利を成し遂げたUVERworld、降臨!

去年に引き続き今年もVIVA LA ROCKに降臨したUVERworld。フロア後方までパンパンのSTAR STAGE、今か今かとライヴのスタートを待ちわびるオーディエンスを真太郎(Dr)が激しいドラムソロで煽り立てる。湧き上がるハンドクラップに導かれ、熱気が立ち込めるステージに登場したメンバーたち。TAKUYA∞の涼しげなホイッスルが暗闇を切り裂く。1曲目は“7th Trigger”だ。「のっけからぶっ飛んでんだよ!」というTAKUYA∞の放ったシャウトの通り、VIVA LA ROCKを一気に自分たちの世界へと引きずり込んでいくUVERworld。スタンドに立ち、一列に横並びになる五人のメンバー。俺たちがUVERworldだ、と見せつけるかのようにハンドクラップを激しくオーディエンスに要求する。1曲目から、完全勝利確定じゃないですか?

「たった50分、たった3000秒、たった8曲で、全ての価値観がひっくり返るような最高のライヴをぶちかましてやるよ!」。爛々と光る眼で、オーディエンスを見据えたTAKUYA∞。誠果(Sax&Manipulator)のサックスが雄叫びをあげる「WE ARE GO」が始まる。真太郎(Dr)と信人(B)のリズム隊が奏でるタイトな低音の上に克哉(G)と彰(G&Programming)が叩き出すバスドラムがさらに重さを加える。激しいUVERworldの演奏に、オーディエンスも耳をつんざくような<We Are>の大合唱で応える。客席まで駆け下り、柵越しに観客に支えられながら、まるで紅海を前にした預言者・モーセのように人海の上に立ち、歌い上げるTAKUYA∞。観客たちとフィスト・バンプを交わし「ご機嫌だな、VIVA LA ROCK!」と嬉しそうな表情を浮かべる。

「たった六人のメンバーと、数十人のチームスタッフと、数百人のクルーと。一番を取りにUVERworldがVIVA LA ROCKにやってきたぜ! これが俺らの最後のライヴかのように全てを出し切るんで、よろしくお願いします!」と、自身でも述べていたように、この日のUVERwolrdは全身全霊をこのVIVA LA ROCKのステージにかけていた。続いて披露された“一滴の影響”では、まさにそんな彼らの意気込みが十二分に現れていた。激しくかき鳴らされるギターソロに、オーディエンスは激しくレスポンスを返す。

UVERworldは、楽曲でもライヴでも絶対に誤魔化すことを良しとしない。“PRAYING RUN”の前のMCでは自分たちがストイックに日々鍛錬しているのは最高の日に最高のライヴをやるためだと熱く、貫き通してきた信念を語る。スクリーンには止まることなく走り続けるランナーの姿が映し出される。自分たちの弱さやダメなところも飲み込みながら、それでも立ち止まることなく進むUVERworldの言葉がオーディエンスの心に染み渡っていく音のない音が聴こえてくるようだった。

TAKUYA∞の強い言葉は時に残酷に響くが、それは常に優しさに溢れている。何故ならば、彼らもまた何も持っていない、成功を夢見て都会に出てきた孤独な青年たちだったからだ。そんなハングリーな思いを抱える若者たちへとエールを送る楽曲“ALL ALONE”、そして“Q.E.D.”では、そんなUVERworldからのメッセージに応えるかのようにオーディエンスの無数の手が、何かをつかもうとするように天を指した。再度、客席まで降り、オーディエンスに支えられながら歌い上げた“IMPACT”では「このまま最高の一体感を迎えていこうぜ!」と、観客を煽りあげる。輝く太陽の光のような照明が、会場を照らし出す。ロックフェスならではの祝祭感をさらに、強調するようなグルーヴィーなビートが地を這うように鳴り響く。熱狂する観客を指差して、胸を叩いたTAKUYA∞の姿はどこまでも神々しかった。

「ありがとうございました。50分という限られた時間の中で、本当に緊張できたし、人生を生きている中で一番生きている感覚を感じられるための緊張でした。最高の時間でした、本当にありがとう。これがUVERworld。好きじゃないって人もいると思う。でも今日をこうやって、数人のスタッフと、数百人のファンが集まってくれて、初めての人も手を上げてくれて。VIVA LA ROCKに出てくれって言ってもらえて、世の中まだまだ俺たちのことを嫌いな人なんてまだまだ沢山いると思うけど。ここで最高のライヴが出来たって思えてる自分たちがいる。それを一つの答えだと思って、まだまだ自分たちを貫いて行くんで、これからもUVERworld、よろしくどうぞ!」と、熱狂の演奏に熱い歓声で応えたオーディエンスに感謝を述べるTAKUYA∞。続けて「感謝を述べた自分の人生なりたいもんになりにいくんだよ。俺たちはだって、たった一度だけ生まれて、たった一度だけ死んでいくんだから。やりたくないことやってる暇ないんだよ。VIVA LA ROCK最高でした、また機会があれば呼んでください」と、笑顔を浮かべた。

最後に演奏されたのは、今日のステージのためにメンバーが選んだ曲だという“7日目の決意”。<夢を願う時 少し強くなれる僕らの日々>——果てない夢を見ながら、自分の限界を知りながらも、それでも強く生きたいと願う時、人は本当の意味で人生を生きることができる。もがき苦しみながらも、自らの手で奇跡を掴み取ったUVERworldの言葉は、この日、VIVA LA ROCKに集まったキッズたちの心にしっかりと響いたことだろう。また、ここで会えることを信じて、UVERworldと交わした誓いはこの先もずっと続いていく。

セットリスト

1. 7th Trigger
2. WE ARE GO
3. 一滴の影響
4. PRAYING RUN
5. ALL ALONE
6. Q.E.D.
7. IMPACT
8. 7日目の決意

撮影=古溪一道 テキスト=小田部仁