この日一番の祝祭感と開放感!

VIVAテレフォンズ!

2日目のトリを飾るのは埼玉が生んだディスコモンスター、the telephones! ちなみに、各アクトが始まる際にヴィジョンにアーティスト名が映し出されるのだけど、その時に鳴るジングルは石毛輝(Vo&G&Syn)が作成したものなのです。

SEの<Everybody clap your hands!>というフレーズに合わせ大きなクラップが響く中、テレビ埼玉のゆるキャラ「テレ玉くん」のかぶり物を被った4人が登場。もうこの時点から、場内いっぱいに膨れ上がっている昂揚感がヤバい。1曲目の“Monkey Discooooooo”が始まると同時に、早くも金テープがドドンと発射! 最後方まで埋まったアリーナはもちろん、ワッショイエリアのスタンド席までもがみんな一斉に手を挙げて飛び跳ね、よって、とにかく床が揺れまくる(笑)。メンバーのボルテージも序盤から最高潮で、エネルギッシュでありながらソリッドなバンドサウンドが矢継ぎ早に繰り出し、STAR STAGEは熱狂&狂乱のダンス空間に突入していった。徹頭徹尾ダンサブル&パワフルなビートが轟き、時にすべてを焼き尽すような全能感を帯びたサウンドも放出しながら、フロアの沸点を倍々ゲームのような加速度で上げていく。さらにはロック界のダンス伝道師ことノブが人間離れした動きで踊り狂い、それに触発されて(?)フロアもさらに熱狂的なカオス感を増していく。「埼玉でこんなに素晴らしいフェスが行われるなんて、思ってもみなかったです。本当に嬉しい。みんなも嬉しいでしょ? 嬉しかったらイェーッ!って言えー!!」という石毛のMCに、場内から一斉にイェーッ!というシャウトが湧き上がった。本当にいい光景だ。まさにthe telephonesの本領発揮、である。

the telephonesのライヴは鉄板で盛り上がる。実際もうここ何年もthe telephonesがフェスやイベントの現場で負ける姿なんて見たことがないし、彼らがステージに上がって音を鳴らせば、その場に詰めかけたオーディエンスはみんな飛び跳ね、踊り狂う。でも、年を追うごとにその光景は、ただ楽しいだけのダンス空間ではなく、もっと「ひとりひとりの心の奥底にある衝動や感情が全解放され、どーしようもなく溢れ出してしまった」結果のダンス空間へと、確かに変化してきた。ダンスロックと呼ばれるロックが流行を越えてスタンダードになった今、ダンサブルなビートで場を盛り上げるバンドはたくさんいるけれど、心身共に解放させるような本当の意味でのダンス空間を作れるバンドは、そんなに多くない。今日のthe telephonesのライヴはとても楽しかったし天井知らずの興奮が爆発していたけれど、同時に、とても感動的だった。彼らが最初の頃からめざしてきた光景が、音楽が、ちゃんと現実のものになっていた。

「We Love SAITAMA the telephones×VIVA LA ROCK」と書かれた飛行船がこの日一番の熱狂っぷりを見せるオーディエンスの上を悠々と回遊した本編ラストの“Love&DISCO”から、さすがにこれ以上はないだろうと思えた沸点をさらに越えてみせたアンコールの“Urban Disco”。そこに溢れ返った多幸感と祝祭感に、胸がいっぱいになった人も多かったのではないだろうか。最後の岡本伸明(Syn&Cowbell&Shriek)の「最高だーーー!」という絶叫に象徴されていた通り、メンバーもオーディエンスも、この場に集ったすべての人達がこの上なく幸福な歓びをわかち合うことのできた、最高のアクトだった。

(有泉智子)

セットリスト

  • 1. Monkey Discooooooo
  • 2. I Hate DISCOOOOOOO!!!
  • 3. Baby,Baby,Baby
  • 4. Hyper Jump
  • 5. It’s Alright To Dance (Yes!!! Happy Monday!!!)
  • 6. SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
  • 7. Don’t Stop The Move, Keep On Dancing!!!
  • 8. HABANERO
  • 9. Keep Your DISCO!!!
  • 10. Love&DISCO
  • アンコール1. EN. Urban Disco