- 5.3 SUN 11:10-11:45 CAVE STAGE
- Brian the Sun

硬派なサウンドと叙情的な歌で
CAVE STAGEの始まりを告げる!
森良太(Vo&G)が出鼻に発した挨拶は、すぐに耳をつんざくようなギターの音と歓声で掻き消されていった。それは何かが始まる時に特有の興奮の発露であり、この瞬く間に空間を埋めつくしていく歓声と楽器の音のすべてが、僕ら全員がこれから3日間続くフェスを最高のものにしてしまう共犯者であることを約束させていた。
その歓声の中、初期からの代表曲である“Sister”で火蓋を切ったCAVE STAGEのトップバッターBrian the Sunのライヴは、曲間に漏らす森の「ありがとう」という言葉さえも食っていく程に性急なナンバーの連続!前半は文字通り息つく間もない前のめりなテンションで“彼女はゼロフィリア”、“アレカラ”、“都会の泉”と彼ら特有のひねりを加えたメランコリックなコード進行と王道ギターサウンドが同居したアッパーな曲を続け、強烈なメガトンパンチを繰り出しフロアの熱をあげていった。
そして「この盛り上がり次第で今年のVIVA LA ROCKが決まるって勝手に思ってます」(白山治輝/B)という決意や、裏で行われてる地元の盟友KANA-BOONを祝福したりと一通りのMCを挟んでから、「(このステージを)選んだあなた達の選択は間違ってない。じゃあビッグマウスの曲やります」(森)と言って始まった後半戦。緊張と自信がない混ぜになった表情で歌われた“神曲”から、丁寧に丁寧に歌う“白い部屋”の流れは、間違いな
くこのライヴ最高のハイライトだった。若い彼らが、明らかに「歌を聴かせる」ことを主眼に置いたこの曲達をこの舞台で堂々と連射する様は、若手バンドの中でフェス文化の潮目が今変わり始めてることを示唆しているような気がする。そしてそれは、ステージを静かに見守る無数の視線のひとつひとつと、彼らがこれから飛躍していくことを誓い合っているようでもあった。
最後は見えない何かをぶち壊しにいくような衝動性を交えて、〈気に入らないことばっかりだ/腑に落ちないことばっかりだ〉と歌う“ロックンロールポップギャング”で終幕。Brian the Sunは、初日CAVE STAGEのトップバッターという切り込み隊長のとしての役割を、自信らの武器である繊細な歌と果敢に攻めたてるバンドアンサンブルで見事に果たし会場を後にした。
(黒田隆太朗)
セットリスト
1. Sister
2. 彼女はゼロフィリア
3. アレカラ
4. 都会の泉
5. 神曲
6. 白い部屋
7. ロックンロールポップギャング