5.5 TUE 19:10-20:00 VIVA! STAGE
電気グルーヴ

電気がトリを務める意味
「ROCK」に込められた想い

2015年、VIVA! STAGEの大トリを務めるのは電気グルーヴ! 石野卓球とサポートの牛尾憲輔がブースにつき、厳かな雰囲気のイントロダクションから“Zoo Desire”でピエール瀧が見参。序盤はアシッドなテイストでじわりじわりと踊らせつつ、途中からトライバルなビートが入って来て、卓球はホイッスルで客席を煽る。ダンス系のアクトが決して多くない中でも、もちろん盛り上げ方は了解済みだ。

ミニマルでポップな歌ものトラック“Fallin’ Down”のうっすらと漂うメランコリアに“虹”にも通じる電気らしさを感じつつ、“モノノケダンス”から“ガリガリ君”の流れで再び徐々にフロアが熱気に包まれていく。牛尾の手によるものであろうサウンドエフェクトも効果的な抑揚をもたらす中、「性格俳優、ピエール瀧!」「ブルーリボン賞、助演男優賞受賞!」と卓球が瀧を紹介し、突然の「イェー! めっちゃホリデー!」という煽りから、お待ちかねの“Shangri-La”へ!「イェー! 明日は振り替え休日!」にもフロアが大きく湧いている。

ここからはお祭りモードに突入し“あすなろサンシャイン”のロングブレイクから突入した“Baby’s on Fire”では卓球もステージ前方に出てパフォーマンスし、お馴染みとなった「日本の若者のすべてがここに集まっています」のアナウンスから“reaktion”へ。ビートはアフレッシヴなものに変わり、その音像はかなりサイケデリックだと言ってもいい。そして最後は、こちらもお待ちかねの“富士山”! わずかなダブステップ要素なんかも入れつつ、かなりノイジーで暴力的なやりたい放題モードに突入して、今年のVIVA! STAGEを締め括った。

「ROCK」というキーワードが冠され、出演者の大半がバンドであるVIVA LA ROCKで電気グルーヴがVIVA! STAGEのトリを務める意味とは? それは主催者が電気グルーヴにロックを感じているからに他ならないだろう。もちろん、この感覚は非常に曖昧なもので、「コマーシャルなポップ・アクト≠ロック」なのかといえば、そんな簡単な構図ではない。ただ、少なくともVIVA LA ROCKに3日間、いや、1日でも実際に参加をしてくれたあなたならば、このラインナップには確かに意味が、強い想いが込められていることを感じ取ってもらえたのではないかと思う。それではまた来年、この場所で会いましょう。きっとまた、巨人達があなたを待ってますよ。

(金子厚武)

セットリスト

1. シュチェチン
2. Zoo Desire
3. Shame
4. Shameful
5. Fallin' Down
6. モノノケダンス
7. ガリガリ君
8. Shangri-La
9. あすなろサンシャイン
10. Baby's on Fire
11. reaktion
12. 富士山