- 5.3 SUN 13:20-13:55 CAVE STAGE
- ドラマチックアラスカ

ライヴ強者の実力を見せつける改演!
ステージに登場してまず放たれた「起きてますか!? 起きてますかビバラ!!! やるぞ! やるぞ!」というヒジカタナオト(Vo&G)の怒号が会場の空気を一気に引き締め、そこから間髪入れずに“リダイヤル”のリフが始まった。その瞬間、一挙に無数のこぶしが突き上げられ、歓声が束になって突き抜けていく。ドラマチックアラスカ、会場のボルテージを即座に沸点へと持っていく最っ高のスタートダッシュだ。
鋭角的なギターが縦横無尽に駆け回る焦燥ナンバー“エキセントリック”、“東京ワンダー”といったライヴナンバーから、これまた彼ら特有の瑞々しいエモーショナル性を爆発させる“ハイドアンドブルー”へと畳み込むようにライヴを展開していったのだが、どの曲もとにかく「効きが早い」。様々な嗜好を持つ音楽ファンが集うフェスという舞台において、その様々な人達を一瞬にして惹き付けていく即効性が強いのだ。キャッチーであると同時に、ギターもベースもドラムもそのすべてがパワフルに、ダイナミックに躍動していく楽曲達は自然とハンドクラップの波を巻き起こし、会場は高い高揚感をキープ。フロアに立ち込める濃厚な熱気が、セットリスト中盤にしながら彼らのステージが大成功であることを示していた。
“打ち上げ花火”の後、笑いを誘うMCを挟み、「ラスト1曲いきます!」という咆哮と共に“星になる”を大きく響かせ、会場に一体感をもたらす<キラキラ光る星になれ>のコールアンドレスポンスで万感のフィナーレへ――と思いきや、曲が終わると「『ラスト』って言いました。嘘です。これでラストなんて“無理無理無理”」と、3月4日にリリースされた新曲のタイトルにかけた粋なMCをかまして最新曲にして溜め込んだ鬱憤をぶちまけて疾駆させるようなキラーチューン“無理無理無理”に突入。ここまででもう全部出し尽くしたと思われたオーディエンスも、「この曲を待っていた!」と言わんばかりに再び爆発し、ステージもフロアも最後までボルテージ高いまま爆走していった。
演奏にしてもMCにしても、初っ端から最後の最後まで観客の気持ちを巧みに煽り、惹きつけ、強い昂揚感の中で魅了していったドラマチックアラスカ。一度上げたテンションを落とすことなくフルスロットルで駆けていく様は圧巻で、バンドが培ってきた地力の強さを感じさせられた。「来年はもっと大きなステージで会いたいな!」というヒジカタの言葉が説得力を持って響くライヴだった。
(黒田隆太朗)
セットリスト
1. リダイヤル
2. エキセントリック
3. 東京ワンダー
4. ハイドアンドブルー
5. 打ち上げ花火
6. 星になる
7. 無理無理無理