5.3 SUN 17:00-17:50 STAR STAGE
KICK THE CAN CREW

ジャンルと時の壁を越えて見せつけたスーパーオリジナル

KICK THE CAN CREW、復活後初となる埼玉でのライブはビバラのステージで実現!“マルシェ”のイントロが鳴ると、悲鳴のような歓声が上がった。それだけ待ち望んでいたファンが多いということだ。かつて、J-POPとの境界線をいともたやすく破った3人が、ロックのフィールドでもガンガンにノセている光景は痛快でしかない。続く“地球ブルース ~337~”でも、場内はロックしっぱなし。3人がヒットを連発していた頃には音楽すら聴いてなかったような若いリスナーまでノセる楽曲のパワーというのは本当に凄まじい。

「KREVAです! MCUです! LITTLEです! 3人合わせてKICK THE CAN CREWです!」というどこかで聞いたことあるような自己紹介の後、KREVAはこう語った。「俺たちのことを知らないであろうロックファンの前で挑戦して欲しいって言われたけど、俺たちはヒップホップのライブでも常に挑戦してましたよ!」そんな自負を覗かせる3人が格好良すぎる。復活したとは言え、ライブを頻繁に重ねているわけではない。しかし、そんなことは微塵も感じさせない連携でフロアを魅了する。

ドープで中毒性の高いビートに首の動きが止まらない“スーパーオリジナル”から一転、“カンケリ01”、“ONE WAY”といくぶんメロウな楽曲で、前のアクトの記憶を消すぐらいじっくりとオーディエンスの脳内を侵食する。

有名曲を立て続けにカマされた後、少し大人しくなった若いオーディエンスに向かって、「いいんだよ。前情報なしで俺らの曲がどんな風に響くのかなっていうのも面白いんで」と言うKREVAの余裕がクールだ。KICKが人気を博したのはヒップホップの枠を越えたキャッチーな楽曲に負うところが大きいが、それだけではない。たとえ初めて聴いたとしても、しっかりと耳と心にまで届かせる3人のラップだ。雰囲気だけの格好良さではなく、メッセージを届かせる。

“sayonara sayonara”で再びフロアを爆発させた後、「まだ何も終わっちゃいないぜ!」とLITTLEが叫ぶと同時にビートが鳴り響いた“イツナロウバ”、400レベルのお客さんまで手を振るほど盛り上げた“アンバランス”という鉄板の流れを見せつけ、3人は颯爽とステージを去った

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. マルシェ
2. 地球ブルース ~337~
3. スーパーオリジナル
4. カンケリ01
5. ONE WAY
6. GOOD TIME!
7. ユートピア
8. sayonara sayonara
9. イツナロウバ
10. アンバランス