- 5.4 MON 16:35-17:10 CAVE STAGE
- きのこ帝国

雄大な歌を羽ばたかせた、
新たなきのこ帝国
続いてCAVE STAGEに登場したのは、きのこ帝国。去年に続いての連続出演となる彼女達ならではの「ただいま、きのこ帝国です」という言葉から、まずは“東京”を披露。耳触りの柔らかい声を丁寧に紡ぎながら、ゆっくりと蒼いエモーションを燃え上がらせていくような佐藤の歌唱がのっけから素晴らしい。アウトロに合わせて絶唱する姿には、神々しさすら感じるほどだ。続く“WHIRLPOOL”では、ドッシリと重心の低いリズムと空間を埋め尽くすようなギターのフィードバックに身を委ねながら、その声をさらに伸びやかに解き放っていく。心も体も透明に洗われていくような心地よさと、魂を揺さぶるような情念の入り混じった歌声に突き動かされ、前方のほうでは手を高らかに天に突き上げて、その感動を表すような客の姿も多く見られた。
そんな内面へとずっしり突き刺さってくるような彼女の歌声とバンドアンサンブルの鋭さがピークを迎えたのは、“海と花束”。佐藤の声も一気に直情的となり、歌を届けたいという想い、メロディを解き放ちたいという想いが一層はっきりと強く感じられた。そんな彼らの進化と真価は、ドラマティックなメロディと硬軟自在な歌がストレートになった新曲“桜が咲く前に”からも強く感じることができた。より雄大なサウンドスケープでさらに大きなステージへと向かっていこうとするバンドの意思を強く感じることのできたライヴだった。
(矢島大地)
セットリスト
1. 東京
2. WHIRLPOOL
3. パラノイドパレード
4. 海と花束
5. 桜が咲く前に
6. Telepathy/Overdrive