- 5.3 SUN 14:50-15:30 VIVA! STAGE
- plenty

去年とは異なる編成で挑んだ2度目のビバラ
――確かな3人の音がここに鳴った
ふらっとステージに現れた3人。江沼郁弥(Vo&G)がおもむろにギターを弾きながら歌い出す。“空から降る一億の星”だ。音と言葉がスッと染み込む名曲を歌い終えると、両手を上げて、「plentyです! よろしくお願いします!」と最初のご挨拶。「ゆっくりしてってくださいね」と言って、アナログでリリースされた最新シングル“体温”へ。ミドルテンポのナンバーながら、ホーンセクションのアレンジが加わって、勇壮な雰囲気。続く“シャララ”も同シングル収録曲だが、こちらは中村一太(Dr)の手数の多いドラミングを生かし、ギターにもフェイズをかけたロックナンバー。ステージは徐々に徐々に熱を帯びていく。
中村がplentyに正式加入したのは去年の8月ということになっているが、実は去年のVIVA LA ROCKの時点で既にメンバーになることが決まっていたのだという。そして、去年は外から観ていた同じ場所で、今年は自分がドラムを叩いていることの喜びを感慨深げに語った。いやしかし、中村のドラムはやはり素晴らしい。the cabs時代からその獰猛とも言うべきプレイが相当に印象的だったが、“明日から王様”や“先生のススメ”、“その叙情に”といった中村加入以前の曲においても、その推進力のあるプレイが非常に光っていた。江沼も新田紀彰(B)も、彼と一緒に演奏することを本当に楽しんでいるように見える。
江沼がもう一度両手を広げ「最後じゃ~!」と言うと、ラストは“枠”。この日随一のアップテンポなナンバーで、中盤のスネアのロールから最後のサビへと駆け抜ける瞬間のカタルシスはたまらないものがあった。そう、plentyに特別なギミックはない。ただいい歌と、言葉と、メロディーがあり、彼らは愚直なまでにそれを何とか届けようとしている。そして、そのためにplentyはもう一度3ピースになったのであり、ツアーを経て、確かに「バンド」になった3人の姿がそこにあった。江沼は最後の最後にもう一度目一杯両手を広げ、ステージを去っていった。
(金子厚武)
セットリスト
1. 空から降る一億の星
2. 体温
3. シャララ
4. 明日から王様
5. 先生のススメ
6. その叙情に
7. 枠