5.4 MON 18:45-19:30 CAVE STAGE
THE NOVEMBERS

美しきクロージング・アクト
「今日も生きたね」で終わる一日

VIVA LA ROCK2日目、CAVE STAGEのトリを飾るのはTHE NOVEMBERS。昨年のツアー時には「MUSICA」に限定のステージパスをつけるといった共犯関係も見せていたが、何と言っても最新作『Rhapsody in beauty』が素晴らしく、各所で高い評価を獲得していたので、納得のトリ抜擢だと言っていいだろう。

一曲目は美しいアンビエント風の上ものに包まれたミドルナンバー“Romancé”でゆったりとスタート。浮遊感のある曲調に乗せ、小林祐介(Vo&G)の歌声も繊細に響く。80年代のUKギターバンドを連想させる“Flower of life”は艶やかな音色のギターも心地いい。ここまでは、THE NOVEMBERSのエレガントな側面が際立つが、続く“236745981”からバンドの凶暴性が牙を剥く。強烈なディストーションノイズと小林の絶叫にはCAVE STAGEの天井が吹っ飛びそうだ。インダストリアルのごとく硬質なリフのループが不穏な雰囲気を漂わせる“鉄の夢”ではさっきまでの繊細な表情から一転、小林の絶叫は狂気を帯びている。

かつて「THE NOVEMBERSはフェスに呼んでもしょうがない」と冗談半分で言われたことを語り、人にはそれぞれの考え方があることを認めながらも、今回フェスのトリとして呼んでもらったことに対して、「人生のご褒美をもらったような気持ちで来ました。いろんな楽しみ方があっていいということを提案するVIIVA LA ROCKが豊かでありますように」と話すと、最後にノイジーなハードコアパンクの“Blood Music.1985”と“Xeno”を連続投下! 強烈な轟音にこのステージは狭過ぎるとも思ったが、アンダーグラウンドな雰囲気が漂うこの場所は案外彼らに似合っている。最盛期のSONIC YOUTHがCBGBでやってたときって、こんな感じかも。

拍手と歓声に応えて、アンコールで披露されたのは“今日も生きたね”。ああ、こんなにもフェスのクロージングにふさわしい曲、他にないな。THE NOVEMBERSは多様性と自己判断を祝福する。願わくば、すべての音楽イベントがそうでありますように。

(金子厚武)

セットリスト

1. Romancé
2. Flower of life
3. 236745981
4. 鉄の夢
5. Blood Music.1985
6. Xeno
en. 今日も生きたね