5.4 THU 15:55-16:30 CAVE STAGE

雨のパレード

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新たな方法論を掲げ、雨パレがビバラ初登場
クールネスと熱が同居する音にCAVEが揺れた

今回、ビバラ初登場となる雨のパレード。しかし、真裏ではないとは言え、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのSuchmosと出番後半で被ってしまったのは、彼らにとって痛し痒しといったところだろうか。それでも今話題の若手バンドのパフォーマンスに興味津々な観客が続々と洞穴を目指してやってくる。気づけばかなりのスペースが人で埋め尽くされている。

サウンドチェックの時点で思ったが、シンセの音色一つひとつが実に気持ちいい。鼓膜辺りでカリッと弾けるような音や、ふんわり優しくなでるようなフレーズなど、耳が喜ぶようなサウンドが静かに高揚感を高めていく。吐息が混じったような福永浩平（Vo）の声も効果的だ。時にはサウンドを構成する楽器のひとつのように響き、ときには力強くハートへ訴えかけてくる。

序盤2曲は比較的穏やかに、クールなトーンで進行したが、MCで印象が変わる。

「VIVA LA ROCKは第1回目のとき観に来てて、ここ（CAVE STAGE）できのこ帝国を観て泣いたんだよね（笑）。だから、今日はここに立ててすごくうれしいです！」とちょっと恥ずかしそうに話す福永がかわいい。

徐々にBPMが上がっていき、雨パレの名が広く知られるきっかけとなった“Tokyo”と“Change your mind”をプレイ。ダンスチューンではありながら、どことなく体温の低さが感じられるのがいい。フロアから上がる手が増えてくるにつれて、福永のヴォーカルにも熱がこもってくる。

“new place”のイントロが鳴ると、この日一番の歓声がCAVE中に響き渡った。今日のパフォーマンスのなかでは、“Tokyo”をベストに挙げる向きもあるだろうが、個人的にはこの曲を推したい。耳に心地よい、ミニマルテクノっぽいシーケンスから徐々に音が重なってサビでピークを迎えると、観客の熱が一気に高まり、至福のダンスタイムがスタート。よく見れば小さい子どもまでもがおぼつかないステップでビートに身を委ねているんだから、それだけ有効なサウンドを4人が鳴らしてたってことだ。

雨のパレードは新しい方法論でポップの概念を覆そうとしている。きっと来年、またひと回り成長した姿で、ひと回り大きなステージでお目にかかれるかもしれない。

ダンスタイムが終わりを告げる頃、CAVEはスタート時よりも遥かに多い観客の笑顔で埋め尽くされていた。

（阿刀“DA”大志）

セットリスト

1. epoch
2. stage
3. Tokyo
4. Change your mind
5. 1969
6. new place

撮影＝釘野孝宏