5.3 WED 18:45-19:30 CAVE STAGE
BRADIO

ファンクで示したバンドの熱くたぎる想い
「音楽欲求」全開で、さらなる飛躍を誓う

4月末にこの秋のメジャーデビューを発表し、意気上がるBRADIOが2年連続でVIVA LA ROCKに登場。昨年はGARDEN STAGEでの出演だったが、今年はCAVE STAGE、しかも堂々トリでの出演となる。真行寺貴秋(Vo)は事前のインタヴューで昨年のVIVA LA ROCKでのライヴを自分たちのターニングポイントだったと語り、今年は前夜祭にも参加しているとあっては、かなり気合いの入ったステージになるであろうことは間違いない(リハの時点でビンビンに伝わってきました)。

真行寺の「パーティーするぞー!」という第一声と共に始まったのは今年発表された新作『FREEDOM』に収録の“Revolution”。ロックな曲調に乗せて、初っぱなからクライマックスかのようなコール&レスポンスを行い、真行寺が強烈なシャウトを披露すると、フロアからは熱狂的なレスポンスが返ってくる。続く“スパイシーマドンナ”ではフロントの3人が一緒にステップを踏み、サビでは振り付けに合わせてステージもフロアも踊りまくる。ギターソロで魅せる大山聡一(G)、ボトムをしっかり支える酒井亮輔(B)と田邊有希(Dr)のリズム隊というバンドのバランスもいい。 「昨日の前夜祭に引き続き、最高のミュージックをみんなと一緒に作ってます、BRADIOです!」という挨拶から、80年代ディスコな振り付けでオーディエンスと共に踊ると、そのまま彼らの真骨頂とも言うべきモ・ファンキーな“Back To The Funk”へ。一転、エレピによるムーディーなイントロから、ワウギターをフィーチャーしたソウル・フィーリングたっぷりの“Overnight Superstar”、さらにはストリングスを交えつつ、解放感たっぷりに自由を叫ぶ“-Freedom-”と、ルーツに愛情を捧げつつもそこだけには収まらない、楽曲の幅の広さも彼らの魅力だろう。

バンドの勢いは終盤戦でも衰えることを知らず、“Flyers”でフロアの後ろまで手を振らせると、「三大欲求っていうけど、なんで音楽欲がないんだよ? ビバラを作ってる人は言ってくれた、BRADIOは血がたぎる音楽だって。音楽ってそういうものだろ? ビバラはそういう場所だろ?」と熱く訴えかける。ラストはゴスペルチックなムードが多幸感を生む“Colors”をオーディエンスと共に合唱し、「来年は向こうのステージで待ってるぜ!」という宣言と共に熱狂のライブは感動的に締め括られた。

「フェスロック」という言葉がなぜ生まれたのか。それはオーディエンスをなんとかして盛り上げたい、オーディエンスとなんとかして繋がりたいというバンドの想いがフェスという場で溢れまくったからであって、フェスそのものは決してジャンルを規定する場所ではなく、広げる場所であるはずだ。そして、BRADIOは「フェスロック」と呼ばれるバンド達も顔負けのエンタテイメント精神と、70〜80年代のファンクやソウルが持つ泣き叫ばんばかりの熱量を組み合わせて、新たな可能性を示してみせた。こうしてまた、日本のロックフェスの歴史が更新されていく。VIVA LA ROCK初日のCAVE STAGE、とてもいい締め括りだった。

(金子厚武)

セットリスト

1. Revolution
2. スパイシーマドンナ
3. Back To The Funk
4. Overnight Superstar
5. -Freedom-
6. Flyers
7. Colors

撮影=釘野孝宏