5.2 TUE 19:50-20:20
Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)

R-指定が「VIVA LA ROCK前夜祭、調子はどうですかー!」と勢いよく登壇してライヴをスタートさせたCreepy Nuts。まずは<手を挙げろ>と繰り返して観客を焚きつける新曲で火蓋を切ると、その間奏でいきなりDJ松永の超絶スクラッチタイムが炸裂。そこからR-指定のマシンガンラップが長時間爆走していく展開はまさに「名刺代わり」である。

続いて披露されたキラーチューン“助演男優賞”にしても、“爆ぜろ!!”にしても、流れるような超速ラップの連打がスムーズに歌へと移行していくグラデーションの滑らかさに驚嘆。かつ、どの曲をとっても、一緒に歌いたくなるようなフレーズとリズム、あるいはその渦の中に自分もジョインしたいと思ってしまうユーモラスな掛け合いが標準装備されている。超絶スキルの応酬でありながら、それ以上にわかりやすさとユーモアと計算しつくされた展開によって、どれもが聴く人を選ばないポップソングになっているのだ。個々のスキルの高さで語られることも多いふたりだが、まず何よりも曲がいいのである。最初は後方で観ていた観客も数曲で着火されているライヴを見て、そんな当たり前のことに気づいたのだった。

さらにR-指定が観客から「お題ワード」を募ってフリースタイルラップを披露する通称「聖徳太子フリースタイル」では、「ミサイル」「坂口杏里」「クソビッチ死ねブス」などなどギリギリアウトなワードばかりが飛び交ったが、そこはさすがのR-指定。そのすべてのワードを、最終的にはポジティヴな視点・表現に反転させていくラップを見せた。この精神性は徹頭徹尾貫かれているものであり、それこそがこのふたりの最大の武器だと言えるだろう。毒っ気のあるものを膨大な語彙でエンタテインメント化していくスキルをこれでもかと見せつけ、その楽しさと爽快感を集約したような“合法的トビ方のススメ”で徹底的にハッピーな空間を作り出してふたりはステージを降りた。なお、Creepy Nutsは5月4日のCAVE STAGEにも登場。そこではどんなライヴで魅せてくれるのか楽しみだ。

(矢島大地)

セットリスト

1. 新曲
2. 助演男優賞
3. 爆ぜろ!!
4. 聖徳太子スタイルフリースタイル
5. DJ松永ルーティーン
6. 合法的トビ方ノススメ

撮影=古渓一道