5.4 THU 10:30-11:05 CAVE STAGE
DENIMS

ダメダメな僕らの愛すべき日常が、
極上のファンキー・グルーヴで輝いた。

ナチュラルを通り越したゆるーいグルーヴ、なのにアンサンブルはキレッキレという絶妙な二律背反を成立させるのが彼らの音楽の美味しいところだ。今年のVIVA LA ROCKにおいて、最も多様性を極めるラインナップで彩られる2日目のCAVE STAGEのトップバッターは、大阪を拠点に気だるい日常をパーティ気質のファンクに乗せて歌うDENIMSだ。

昨年リリースされた『iggy&pops』のオープニングナンバー、“DAME NA OTONA”がいきなり最高。そう、最低って最高。音楽を聴いている間だけはそれは無敵を意味するんだ。“fools”、“Swing Swing”と続き、大人になっても遊びだけはやめらんないと言わんばかりの楽観的なファンクネスが鳴り響き、一気に彼ら音楽に引き込まれていく。カマチュー(G&Vo)の「一発目からDENIMSを選んできてくれてありがとう。みんなパーティピーポーですね。パーチーピーポーの才能があるね。でも、こんなに人が来てくれるなんて、いい音楽やっててよかったー。ゆっくり楽しもうぜ」といういかにも彼ららしい言葉から始まったのは“BENNY”。「照らしてくれよ夜の道をスターライト 怖いくらい前見えなくても歩こう」という気分が、スローなBPMの柔らかい合奏にシンクロする気持ちのいい1曲だ。また、しょうもなくて情けない男に愛想を尽かす女性を歌う“わかってるでしょ”も、彼らの能天気かつファストでリズミカルな音楽で歌われればそれだって喜劇になる。どんな日常だって、音楽を聴いている時間だけはキラッキラになる。そんなフェスという音楽空間の醍醐味を、その気もなくさらっとやってのけるDENIMSは最高にクールだ。

「もっとデカいステージで帰ってきたいんで――今年売れます!!!」(カマチュー)という気合いの入った宣誓から突入したラストスパートは“Goodbye Boredom”。「みんな歌おう」(カマチュー)、「さいたまスーパーアリーナー全員で行こう!」(おかゆ)とテンションを上げながら、最後は「1曲ぶちかまします」(カマチュー)という言葉を投げかけ、彼らの王道ファンク・ロック“たりらりら”で幕を引き。どこまでも自然体で飾るところは一切なし。でもだからこそカッコいい。ステージが進むにつれてどんどん増えていったお客さん達に、ファンク、ソウル、ロック、ポップをごちゃ混ぜにした自分達だけのミュージックをふるまってステージを後にした。

(黒田隆太朗)

セットリスト

1. DAME NA OTONA
2. fools
3. Swing Swing
4. BENNY
5. わかってるでしょ
6. Goodbye Boredom
7. たりらりら

撮影=釘野孝宏