5.5 FRI 13:45-14:20 CAVE STAGE
ENTH

一寸先が読めないメロディックパンク!
気鋭の3人組が洞穴で叫ぶ!

パンク色の濃いビバラ3日目にもってこいなニューカマーがCAVEに登場。ミニアルバム3枚をリリースしているとは言え、フルアルバムのリリースは今夏という彼ら。一般的なロックファンの認知度はまだ高くないけど、「YON FES」や「DEAD POP FESTiVAL」といったバンド主催フェスに出演していることもあって、パンクキッズにはすっかりお馴染み。CAVEにはわんさか人が集まり、開演前から入場規制目前。人気バンドは常に現場から生まれるのだ。

手を振りながらリラックスした様子で登場した3人は、“NO FATE”〜“HANGOVER”〜“Let it die(t)〜まこっつ走れ〜”と高速メロディックパンクチューンの連射でまずは自己紹介。彼らのライブを初めて観る筆者の第一印象としては、とにかく勢いがすごい。

「思ったより広い!」「(観客が)頼もしい!」「さいたまスーパーアリーナにENTHが立つなんて全く思ってませんでした」とストレートな感想を残した後は、「オーオー!」の大合唱から“Crime in my mind”へ。つんのめりそうでつんのめらないギリギリのところで疾走する演奏が心地いい。

かと思いきや、“Voo-Doo Shangrila”のようにファンクな楽曲もあったりして、正統派メロディックパンクとは異なる武器を所持していることも判明。90年代の懐かしい空気をエッセンス程度には感じるけど、先人の功績をしっかり咀嚼した上で、きちんと自分たちの音に仕上げているところが好印象。“Bong! Cafe au' lait! Acoustic guitar!”なんて曲タイトルからしてわけわかんないが、それと同様に全く予測してない曲展開にのけぞった。だって、ストレートに走り抜ける曲かと思ったら、途中でいきなりツェッペリンみたいなパートを放り込んでくるんだから。

「バンドは自分のためにやってきたけど、自分の力だけじゃ、今日ここに立ててないと思う。ENTHはオリジナル(メンバー)だと俺だけ。このメンバーになってまるまる一年。ゼロからのスタートだと思ったけど、もう始まってんの。迷う気持ちもあったけど、今日までやってきてよかった。言い方は難しいけど、今日は俺たちよりもすげぇバンドがたくさん出てる。でも、来年はぜってぇ超えてやると思ってるから!」とdaipon(Vo&B)は力強く言い放った。

ラストは“ムーンライト”〜“Get Started Together”でフィニッシュ。恐らく、本人たちとしても十分にやり切ったビバラデビュー戦だったはずだ。今後の動向が気になるバンドがまたひとつ増えた。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. NO FATE
2. HANGOVER
3. Let it die(t)〜まこっつ走れ〜
4. Crime in my mind
5. Voo-Doo Shangrila
6. Gentlman Kill
7. Bong! Cafe au' lait! Acoustic guitar!
8. ムーンレイカー
9. Get Started Together

撮影=釘野孝宏